| クラックが発生する状況は千差万別です。しかし、原因は施工上の小さなミスが起因することが多くその一例を下の図に上げてみました。主に、コンクリートの材料が起因するクラックの形状の例です。
| | セメントの異常な凝結 | コンクリートの沈下・ブリージング | 短く不規則なクラックが早期に発生する。
| 上端筋の上部に発生するクラック。コンクリートの沈みによるものや。あるいは上図のようなブリージングによるもの。コンクリート打設の1-2時間で鉄筋に沿って発生する。
| | | 『ブリージングとは、コンクリート打設後に混練水が分離して、コンクリートの上面に上昇する現象。セメントや骨材の性質、型枠の条件、気象条件などの影響によって生じる。特に水セメント比が大きくスランプが大きいコンクリートほど著しくなります。』
| | セメントの水和熱 | 骨材に含まれる泥分 | 大きなコンクリートの断面(一辺が80cm以上)に発生するクラック。地中梁や厚い地下壁に発生し易い。
| コンクリートの乾燥が進むに連れて不規則な網の目状のクラックが発生する。
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『水和熱とは、セメントと水が反応して不溶性の水和物を作り、凝結硬化する現象を水和といいます。 セメントが固まることです。水和の際に出る熱を水和熱と言います。』
| | 反応性骨材 | 混和剤の不均一な締固め | 柱や梁などでは材軸方向にクラックが発生。あるいは、壁などに方向性のないマップ(地図)状に発生する。
| 混和剤には膨張性のものと収縮性のものとがあり、部分的に発クラックが生する。
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『反応性骨材とは、水酸化アルカリと接することで膨張を起こす骨材です。火成岩の一種である火山岩系の砕石を使用したコンクリートはアルカリシリカ反応が生じやすい。』
| | 長期間の練り混ぜ | 急速な打設 | コンクリートの練り混ぜすぎ、又は、運搬時間が長すぎた時に発生するクラック。全面に網目状となる。
| 急速なコンクリートな打設により、コンクリートの沈下沈降によって、クラックが発生する。
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『コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満のときは120分、25℃以上の時は90分と定められています。これは、コンクリート練混ぜからの時間の経過に伴って、スランプの低下、あるいは空気量の低下、コンクリートの温度上昇が生じ、これらのことにより打込み欠陥の発生やコンクリートの耐久性を損ねることにもなるからです。 』
『打ち上がり速度は、一般に、30分につき1〜1.5m程度を標準とすます。(型枠強度計算で検討した打ち上がり速度を超えない)ようにしなければなりません』
| | 不十分な締固め | 配筋の乱れ、被り厚さの不足 | コンクリートの締固めが不十分であると、内部に「ジャンカ」やす「ス」が発生し、そこからクラックが発生する。
| スラブ上面塔では、被り厚さが不足すると、硬化初期に鉄筋に沿ってクラックが発生する。
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| | 型枠のはらみ | 支保工の沈み | 型枠のはらみが生じると、型枠面に沿ったクラックが発生する。はらみとは膨れること。この場合は型枠が膨れて移動外側に移動すること。
| 矢印の方向に支保工が沈むと、水平部材に曲げ応力が発生し、クラックが発生する。
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『型枠の孕み(はらみ)とは型枠の強度が不足や内圧の上昇などで外側にふくれることです。』
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