| 「矢来(やらい)」とは湾曲した割り竹を並べ絵建物の壁や塀の下部を覆う、背の低い柵のことです。京都の市内の町屋などに現在でも多く見られます。勿論、出入り口には設けることはしません。犬走(いぬばしり)の部分に設けたので「犬矢来(いぬやらい)と呼ぶようです。
これをもう設ける理由は次のようなものがあります。
@犬が壁に尿をかけないようにガードするため。
A早馬の泥はねや牛車の接触からの壁や塀またはの木などを守る。
B壁や塀をよじ登りにくくすることで泥棒よけになる。
C客人や身内の話しを壁際で聞き耳を立てられないようにすること。
D人が壁際を歩かないようにすること。
などがあったといわれています。
現在では、アールではなく単なる三角形であったり、材質がアルミや鉄製のものも見かけます。また、エアコンの室外機の目隠しのような目の粗いものもありますが、これらは本来の目的からいえば少しずれています。
| | 昔は野良犬などが、建物の壁におしっこをかけてマーキングすることも多かったと思われます。
| この形が本来の犬矢来です。出入り口以外は道路に面する建物の部分一面に囲われています。
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