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 W-Wallet 結 露


1. 結露とは何か

2. 水蒸気量と温度の関係

3 結露は目につかないとこ
  ろにも発生する

4. 夏にも発生する夏型結
  

5. 室内の壁表面の結露

6. 木造住宅の壁内部の結
  

7. 木造住宅の壁内部結露
  が招く結果

8. 木造住宅の小屋裏の結
  露対策

9 木造住宅の床下の結露
  対策

10. 住宅の室内における結
   露対策

   
 5. 室内の壁表面の結露

 「結露」は発生する場所には、「表面結露」と「内部結露」の2つの種類があります。表面結露は、窓サッシやそこに入っているガラス面、あるいは壁や天井の表面で発生する結露のことです。

 これについては、これまでから述べてきた水蒸気を含んだ暖かい空気が、温度の低い窓サッシやガラスに触れることで発生するだけでなく、目立たないものの室内面の仕上げである仕上げの建材に触れることでも発生します。

 このページではまず室内における「表面結露」について述べたいと思います。



この図の例はマンションにおけるカビの
発生の例です。GL工法によっても発生
しています
   窓が室内の暖気で曇ったり、それが進んで結露して水滴が多量に付いたりするのは最もわかりやすい例です。結露は、そういうわかりやすいところだけに起きているわけではありません。

 十分な断熱が行われていない内壁の表面にも実は発生しています。特に建物の部屋の入隅(いりずみ:へこんだ角の部分)では室温が低くなっており、そこが部屋の中では最も結露しやすくなっています。

 この面に置かれることが多い家具類の裏側は人目につきにくく発見されにくくなっています。家具を動かすと、左の図のような黒い汚れが発見されたら、間違いなく結露の影響といっていいでしょう。

 室内における表面結露はカビやダニの発生によって黒ずんで壁面を汚します。さらにそれだけでなく、カビの胞子やダニの死骸やダニのフンなどによるアレルギーや喘息を引き起こす原因ともなります。

 ダニなどの温床となる温度は25度から35度、湿度は75%以上といわれています。その発生は多くは梅雨(つゆ)の時期でしたが、現在のような気密性が非常に高い建物でエアコンの使用があっては、年中その発生の条件が整っているといえます。




 ■室内の結露を防ぐには壁の断熱が重要

 室内の壁の結露を防ぐには、室内の表面温度を下げないことが一番重要です。そのためには建物全体の断熱性を高め、家の中に冷えた部分をつくらないことが肝心です。結露しやすい窓については、複層ガラスなどの断熱性の高いタイプが有効です。また内装材については調湿性の高い建材を使うとより安全です。


 下記に一般的な材料の熱伝導率の比較の図を載せました。一般的にいって冬季においてこれらの材を触ると「冷たい!」と感ずるものが熱伝導率が高いと考えて問題はありません。金属(鉄、ステンレスやアルミも)やコンクリートなどは、冬に触ると痛いほど冷たいと感じます。一方木や発泡スチロールなどは「温かい」と感ずるほどです。これら「温かい」と感じたものが断熱性に優れた材料といえます。




 木材が断熱性がいかに高いかよくわかります。また、最近の木造住宅では壁の中にグラスウールを前面に入れるのも木材より断熱性が優れているからにほかなりません。




 ■断熱性の高い材料の色と形状

 日本の住宅における断熱材の使用は、北海道に始まります。北海道は20年代後半に住宅の不燃化を推し進めるために、鉄筋コンクリート造やコンクリートブロック造を盛んに建設しました。しかし、これらの建物は結露が発生し、人が生活できないほどであったということです。結露により壁に水が流れたり、出窓につららが発生したりしました。特に押し入れにおいては、品物が水浸しになった、箪笥が腐食するなどの被害が発生しました。


 これは、コンクリート造やコンクリートブロック造の住宅の外周回りに断熱が行われなかったことに起因していました。鉄筋コンクリート造の内壁が冷え、室内の暖房の暖かい空気が触れることで、結露を生じさせたのです。さらに室内の暖房にも問題がありました。ストーブにヤカンを置いたり、生活のための煮炊きが行われたために、空気中の水蒸気量が非常に高かったのです。

 
 その経験をもとに、鉄筋コンクリートの内側に木毛セメント板やアルミ箔のアスファルトフェルトなどを利用して、一定の効果を得ましたが、今日のような下記の製品はまだなく、十分なものではありませんでした。以来、さまざまな断熱材が開発されて今日の製品に至っています。

    グラスウールとは





柱と間柱の間に入れます。製品としてすっぽりと入るようにメーカーで作られています。筋交部分は筋交の外側に入れます。筋交いは、在来工法(日本の木造建築の殆どの工法)では耐震上最も重要部材であるためです。

 リサイクルガラス(回収された空き瓶や工場の廃棄ガラスなど)を主成分としたガラス原料を高温で溶解、繊維化、綿状に成形したもので、不燃性・断熱性・吸音性・防振性に優れています!暑さ寒さ、騒音、振動なども遮断します!


画像出典:左上 旭ファイバーグラス
画像出典:右上 タオホーム



   ポリスチレンフォームとは


 ポリスチレンフォームで有名なものは、畳のコア材として利用されている青い色の軽量な加工がし易い「スタイロフォーム」という名称で有名です。

 これも断熱性が高く、上記のグラスウールと同様に使われます。グラスウールは柔らかく形状は自由が効きまが、ポリスチレンフォームはそれがききません。
しかし、しっかりとしたボード状で取り扱い易く、カッターナイフ等で自由な形にカット出来ます。上の図では薄いブルーの色の付いたものが、それです。


画像出典:日経アーキテクチャー2011年7月10日号



   ウレタンフォームとは


 ウレタンフォームは鉄筋コンクリート造の建物の内壁側のコンクリート面に施工される断熱材で、現在では広く普及している材料です。建設現場で施工される半液状の発泡性のウレタンフォームを吹き付けたり、左の図のような板状の製品を、型枠に予め取り付けて、コンクリートと同時に打ち込む方法もあります。


 厚みは、20ミリから45ミリまで5ミリごとの厚みがあります。発泡性のウレタンフォームは、吹き付け後にカチコチに硬化します。



 左の図は、鉄筋コンクリートに打ち込む場合の平面図です。柱の廻りの黄色い色塗り部分がそれです。

 図ではアキレスという会社の「アキレスカタダンノンフロン」という商品名で記されている黄色い色の部分がウレタンフォームです。それを型枠で固定しています。

 図は、アキレス鰍フものを使いましたが。他のメーカーでも施工は同じです。



 さて、カビが好む温度は25〜35℃、湿度は75%以上。これまでカビは梅雨を中心とした高温・多湿な時期に発生するとされてきました。しかし現在の住まいは、年間をとおしてカビが発生する条件が整っているとも既に書きました。


 同時に、カビは有機化合物でできた建材(塗料・ビニールクロス・合成皮革など)まで栄養源とします。つまり、食べてしまうのです。まさに表面結露した住宅はカビにとっての快適空間なのです。

 冬の表面結露を防ぐには断熱化によって壁や天井の表面温度を下げないことが肝心です。また室内が高湿状態にならないよう湿度をコントロールすることも重要なポイントです。







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