| 集成材は、大きくは造作用集成材と構造用集成材の2つに区分することができます。前ページ冒頭でも書きましたが、最近では集成材と積層材の区別が明確になされていません。ただし、単層積層材(LVL)だけは、明確に積層材の名を留めています。従って、ここでは積層材を含めた集成材の紹介をしたいと思います。
JASでは、下表の様に更に分類しています。なお、造作用とは構造用以外のものを指します。構造用と建物の骨組みとなる部分を指します。
O−1 造作用集成材 | | ひき板もしくは小角材等を集成し、接着したそのままの集成材です。
ひき板のつみ重ねによる美しさを生かしてテーブル、机、階段踏板、カウンター等のほか、材の表面にみぞを切ったり、型取り加工等をした手摺り等の内部造作用部材、家具用部材として使われるものです。右の図は、カウンターの角部分。
| 製品例
●階段材、壁面材、カウンター材、床材、フリー板材など。 ●豊富な品種と色柄を用意し、特殊なサイズ・形状にも対応。 ●住宅の造作用、家具用など幅広い用途に用いられます。
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O−2 化粧貼り造作用集成 | | 接着部分の見える集成材の表面に美しさを出す目的として薄い化粧板をはりつけた集成材です。
長押、框や構造上強度を要しない部分に使用する化粧柱等のほか、化粧した集成材の表面にみぞ切りなどの加工を施した敷居、鴨居など、主として建築物の内部造作用部材として使われます。 | 右の図は源平杉の長押の製品です。長押の断面を見ますと、集成材でできていることがよく分かります。
| 製品例
●枠材、長押、敷居、鴨居、廻り緑、上り糎など和室用内装造作材の他、洋室内装材としても使用されます。
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出典:集成材の長押 株式会社 宮盛
O−3 構造用集成材 | | 構造物に要求される強度性能を満足するようひき板を積み重ね接着した集成材で、骨組みの主要部分となる柱等、主として木造建築物の力が加わる部分に使われるものです。
所要の耐力を目的として等級区分した挽き板(ラミナ)を集成接着したものであって、所要の耐力に応じた断面の大きさと安定した強度性能を持ち、大スパンの建築物の建設も可能です。 | 寸法、断面積によって大断面、中断面、小断面に分類されています。木質構造の耐力部材として柱、梁、桁などに使用されます。化粧ばり構造用集成柱とともに国土交通省告示に基づいて材料強度が定められています。 | 製品例
●中断面、小断面集成材は、主に木造住宅の柱、梁、桁など、構造物の耐力部材として広く使用されています。 ●大断面集成材は、体育館、学校、集会施設、事務所、寺院、教会等の大型木造施設など、優れた強度性能、耐火性能、耐久性等を求められる建物に欠かせない材料となっています。
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O−4 化粧ばり構造用集成材 | | 所要の耐力を目的としてひき板(ラミナ)を集成接着し、その表面に美観を目的として化粧薄板を貼り付けた集成材のうち、主として在来軸組工法住宅の柱材として用いられます。 (断面の一辺の長さが、 90mm以上135mm以下のもの。)
構構造用集成材の表面に美しさを出す目的として薄い化粧板をはりつけたもので、強度と美しさの両方を求められる和室の柱等に使われます。
| 製品例
●在来軸組工法住宅の主として和室の柱として多用されます。 ●芯材には積層数が5枚以上で、化粧薄板も1.2mm以上のものを用い、強く、美しく、狂いが少ないのが特長です。
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出典:集成材の長押 株式会社 宮盛
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