| クラックの発生の例を見ていきましょう。 クラックの発生の主因として曲げ破壊とせん断破壊があります。実際にはクラックは下図のクラックが別々に発生するのではなく、同じ梁に同時に生じます。
せん断破壊というのは一枚の紙を引き裂くように働く力です。せん断破壊は、予兆なしに突然起きる破壊で、とても恐ろしい破壊の仕方です。あってはならない壊れ方です。鉄筋の量を増やして壊れにくくします。耐震といえばまずせん断破壊が問題になるのはこうした 理由からです。
曲げ破壊は柱や梁が撓I(たわ)むようにあるいは棒が次第に曲がる破壊の仕方です。徐々に破壊しますので、その間に避難が可能です。せん断に比べて安全な壊れ方といえます。 曲げ破壊をなくすることは出来ませんが、鉄筋量を増やして破壊を小さくしたり、完全な破壊までの時間を稼ぐことができます。
| | 曲げ破壊による梁下クラック。 建造物の柱や梁(はり)を曲げようとする力です。
| せん断破壊による梁下クラック。建物の柱や梁(はり)を二つに引き裂 こう(せん断)とする力です。 |
| | 柱のせん断破壊によるクラックです。
| 一例ですが、実際に柱のコンクリートが破壊して剥落しています。
(写真:日本建築学会)
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