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 W-Wallet 廻り縁(まわりぶち)










 1. 廻り縁とは何か

 回り縁(まわりぶち)は回縁とも書きます。廻り縁は見切り縁(みきりぶち)と呼ばれるもののの一種です。それでは「見切り縁」とは何でしょうか?
まず「見切り」とは仕上げの終わりや複数の仕上げの取り合い部分のこと、あるいはその納まり(最終的な出来具合)のことです。見切り商品の特売とか物事に見切りをつけるとかと同じように使われています。
 例えば、天井と壁や壁と床が接する部分など複数の面や仕上げが他の異なる部分が接する部分のこと言います。
 色々と異なったところが集まるところの納まりが綺麗でないと仕事が雑に、空間がだらしなく見えるといわれています。また、こうした面の交差する部分や同一線上にある仕上げでも、その仕上げの種類が違うと、きれいに収めることは非常に精度が要求され、当然気を使わざるを得ません。

  しかも、工事は雑になりがちです。これは建築にかぎりません。物事の最終部分の仕上げが最も難しいのです。そこで、こうした部分をすっきりと見せ、なおかつ不出来になりやすい部分を目立たないように隠してしまう役目が見切り縁の役目なのです。隠すという言葉は適当ではありません。建築では、それを「逃(に)げる」といいます。うまい表現ですね。

 さて、廻り縁を説明しましょう。天井と壁の接する部分に設ける見切り縁を「廻り縁(まわりぶち)」と呼んでいます。部屋の中の天井と壁の際(きわ)をぐるりと廻っています。

 見切る意味で幅木も見切り縁の仲間ですね。幅木なら床と壁の接するところに設ける見切り縁というわけです。そのほか見切り縁には、「畳寄せ(たたみよせ)」、「雑巾摺り(ぞうきんずり)」などの仲間がいます。幅木(はばき)については、別のページで解説していますのでここでは触れませんが、「畳寄せ(たたみよせ)」と雑巾摺り(ぞうきんずり)」につては少し解説しておきましょう。

 「畳寄せ(たたみよせ)とは和室において畳の壁とのきわに幅5−10mmの一本の細い木製の材が壁に沿って設けられています。この材は、柱から柱の間に設けられ、かつ、柱の出ている面と同じ位置にあります。畳を敷くため柱より出っ張ってはいません。畳を敷いたり上げたりするときに床近くの壁を保護するためであり、出っ張っている柱と壁との隙間を埋めるためでもあります。見えているのは5-10mmと細いのですが、実際は壁を支えていますので、これに壁の厚さが加わったサイズになります。その幅は、壁仕上げにもよりますので一概に言えません。高さは畳の厚さに50-60mm程度に合わせます。

 「雑巾摺り(ぞうきんずり)」は和洋室の「押し入」れや「物入れ」、和風の建物の「板間(いたま)」に見ることができます。「押し入れ」や「物入れ」では床や棚板と壁仕上げのきわに打ち付けられる木製の細い材です。「畳寄せ」と同様に壁仕上げを支えています。雑巾で拭(ふ)くことから雑巾がこすれる、すなわち雑巾摺りというわけです。
 また、和風の建物、わかりやすい例では、時代劇の剣道場などの板張りの床と壁の腰板などの取り合いにも使われています。


畳寄せ(たたみよせ)の例

イラストは和室の壁際のを縦に切ったものです。ラスボードは仕上げの塗り壁がくっつき易いようにボードに大根おろしのおろし金のを裏から見たような窪みがついている特殊なボードです。

雑巾摺り(ぞうきんずり)の例

これは、押し入れの中段の画像です。黒い線で示したものが雑巾摺りになります。下の段においても同様の納まりとなっています。




次のページから、廻り縁の例を見ていきましょう。








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