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 W-Wallet 騒音


1. 騒音とは何か?

2. 音はどのように発
  生し伝わるのか

3. 騒音の種類と地域別
  基準値

4. 建物の構造で違う騒
  音の度合い

5. 外壁からの騒音

6. 外壁の設備穴からの
  騒音

7. 窓ガラスからの騒音

8. 窓サッシからの騒音

9. 外壁伝いに階下への
  騒音

10. 隣接する部屋からの
  騒音

11. 建物内部の界壁間の
  騒音

12. 給排水の騒音と対策

13. 建物内 床からの騒
  

14. 床からの騒音 重量
  床衝撃音

15. 床からの騒音 軽量
  床衝撃音

16. 重・軽量床衝撃音の
  低減方法

17. 木造の重・軽量床衝
  撃音の低減方法

18. 既存建物での騒音
  対応策

19. 音のもたらす効果

     
 2. 音はどのように発生し伝わるのか

 音は粒子の振動です。その振動が空気の波となって進んで行きます。たとえば人の会話は、声帯の振動によって声が発生し、空気の粒子を振動させて波となって聞き手に伝わります。

 聞き手はその波によって、鼓膜が振動し、声が聞こえるのです。音の伝播は空気中などの気体の中の他、固体・液体の中でも伝わりります。そして当然ながら、もっとも私たちの体験の深い空気中では、空気がなければ音は伝わりません。

 ■波には二種類ある 音は縦波である

  横波(よこなみ または おうは)

 空気が振動して、波となって音が伝わると書きましたが、振動といえば下の図のような波を思い浮かべがちです。音の伝わるのは、この波ではありません。これは縦波をイメージ的に描いたもので、誤解の元となっています。



縦波の誤ったイメージ

 横波は音が進む方向に対して、直角方向に揺れる波のことです。

 よりわかりやすく言えば、床に対して左右に波打ち、床に平行的(水平的に)にある方向に進むのが横波です。よく、これを縦波と間違いやすいのですが、判断の基準はあくまでも波の進行方向が基準です。波の進行方向に対して横に揺れれば横波です。

横波はイメージしやすい波です。ぴんと張ったロープを左右に揺らしたときに伝わる波が横波です。海の波などは横波ではなく縦波の一種です。




  縦波(たてなみ または じゅうは)

 横波に対して、縦波は進行方向と同じ向きに振れながら進みます。音の波は縦波です。

 縦波を理解しやすいようには説明しにくく、「● 横波」で描いたSの字の波で説明してしまいがちですが、これも誤りです。縦波を例えるとバーコードのような感じです。等間隔で並んでいたバー(空気の粒子)が音によって押され進んで行きます。間隔が狭まっている部分は、バー(空気の粒子)が押さて密になった部分です。それによって、バー(空気の粒子)がまばらになったところが間隔が広くなった部分です。


 これを繰り返しながら、進行方向に進みます。このように音の波は空気のうすい層(疎)と濃い層(密)が交互に伝わっていくので、「疎密波(そみつは)」と呼ばれます。新聞で『横波を受けて船が転覆』などという記事が出ますが、船の転覆したのは、この波がやや変形したものです。


 縦波が説明しにくいのは、水などの液体が起こす波のようにはっきりと見える波でないからです。空気の振動という目には見えない波だからです。縦波には横波のようなうねりがありません。物が振動して空気が空気を押しながら進んで行きます。




 ■音はどのように伝わってくるのか

 音が伝わり方には3種類があります。
@ 空気の振動によって伝わってくる音。
A 物の振動によって伝わってくる音。
B @とAの両方から伝わってくる音。


 この3種類のうち空気の振動によるものが、他を圧倒しています。「物の振動によって伝わってくる音」とは、大型車の走行振動、近所の道路工事の振動のなど地面を伝わる振動等です。これに対する住宅のような軽量の建物での対策方法は殆どありません。


   @ 空気の振動によって伝わってくる音



 屋外から聞こえてくる、犬などの動物の鳴き声や自動車・電車などの交通騒音など。

 窓や出入り口などの開口部は、空気を伝わってくる音の出入り口にもなるため、この開口部への防音対策は、「空気を伝わってくる音」に対して有効な手段となります。

 たとえば、屋外から聞こえてくるカラオケの音は、「空気を伝わってくる音」なので、開口部への防音対策がもっとも効果的です。


   A 物の振動によって伝わってくる音


 上下左右の部屋から伝わってくる足音や水周りの音をはじめとする生活音など。

 「固体を伝わってくる音」に対しては、窓への対策ではほとんど効果が見込めません。
それどころか、「固体を伝わってくる音」に悩まされているのにも関わらず、窓の防音性能を改善すると逆効果になることもあります。

 例えばマンションで、上の階の足音などの天井から響いて来る「固体を伝わってくる音」に対して窓の防音性能を向上させると、肝心の天井からの音に対して効果が無い一方で、屋外から窓を通して侵入してくる交通騒音などの音が静かになるので、それまで以上に天井からの音が気になってしまいます。

 したがって、「固体を伝わってくる音」に対する防音対策は、屋根・壁・床・窓についてトータルで考える必要があるため、深い知識と豊富な経験がないと難しいといえます。


   B @とAの両方から伝わってくる音




 近所の工事現場からの音や、すぐ近くを通過する大型トラックなどのような「地響き」を伴うような音。

 「空気と固体の両方から伝わってくる音」は、「空気を伝わってくる」部分については窓への防音対策によって、ある程度の効果は期待できます。

 楽器やステレオの音のように、部屋から屋外に漏れていく場合や、隣室から聞こえてくる場合には空気ばかりではなく、部屋全体を振動させることから「空気と固体の両方から伝わってくる音」になります。

 ただ別棟のご近所から聞こえてくる場合、ほとんどの音は空気を伝わってくるため、「空気を伝わってくる音」と考えられます。 このように、同じ音でも、条件によってタイプが異なるケースもあるのです。



 ■効果的な防音方法とは

 音とは、ひとことでいうと空気振動のこと。ある物体が振動して空気を震わせ、それが空気や物体を伝わって耳に届いた時に「音」として聞こえます。つまり、この空気の伝わり方や通り道をコントロールすることが、騒音を抑えた快適な住環境につながるのです。

 防音には、窓や壁などを透過して伝わってくる音(透過音)を小さく抑える「遮音」と、透過されてきた音のエネルギーを小さくする「吸音」があります。効果的な防音には、この「遮音」と「吸音」のバランスを考えた対策が大切です。







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