| 音には、色々な種類や大小があり、小さくても不快に感じる場合もあれば、大きくてもそうも思わない場合もあります。場所や、時間、人のその時の精神状態なども大きく左右します。
また、下記の表にはありませんが、閑静な住宅街であっても、幼児や小学校の低学年などの、遊びに乗じた奇声や大声、泣き声なども、十分に騒音となりえます。
ところが、騒音が大きくても規則正しかったり、音が単調であれば必ずしも不快とも限りません。しかし、総じていえば、大きくなるほど不快な騒音と呼ばれるようになります。大きな音がする時、人は思考が中断や停止に陥ってしまうからではないでしょうか。
騒音の種類 | 騒音レベル(Hz) | 騒音の環境 | うるささの感じ方 | 0 | 耳で聞き分けられる限界 | きわめて静か | 10 | 人の呼吸音 | 20 | 木の葉の触れ合う音、置時計の秒針音 | 30 | 夜の郊外、ささやき | 静か | 40 | 静かな住宅地の昼間、図書館の中 | 50 | 静かな事務所の内部 | 日常の騒音 | 60 | 時速40kmで走る車の内部、 普通の会話 | 70 | タイプライターなどの軽作業の音、 騒々しい事務所・騒々しい街頭 | うるさい | 80 | 地下鉄の構内、ピアノ演奏(1m前) | 90 | 騒々しい工場内 | きわめてうるさい | 100 | 電車が通る時のガード下 | 110 | 自動車のクラクションの前2m | 聴力機能障害 | 120 | 飛行機のプロペラの前 | 130 | 肉体的苦痛を感じる限界 | 140 | ジェットエンジンの近く |
上の表の右端の「うるささの感じ方」であっても騒音と捉えてしまう人もいれば、許容できる人もいます。騒音と捉えている人でも、その時の気分や他の要因で許容できると思えることもあります。
また、その騒音の発生が理解できるものであれば、許容できることもあります。しかし、そうなると何かしらの基準がなければ、一旦トラブルになると深刻化しかねません。では、騒音の基準値というものがあるのか?ということになります。
実は、騒音の基準値はあります。平成10年に交付された環境庁の告示第64号(平成24年3月改正告示54号)に具体的な基準値が定められています。それによると住宅地では昼間の騒音は55デシベル以下、夜間の騒音は45デシベル以下とされています。(下の表を参照)
なお、「この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。」としており、これらは別途、当事者間の交渉や訴訟が提起されることによって解決が図られることになります。
地域 | 基準値 | 昼間
(午前6時〜午後10時) | 夜間
(午後10時〜翌日の午前6時) | 療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域
| 50デシベル以下 | 40デシベル以下 | 専ら住居の用に居される地域及び主として住居の用に供される地域
| 55デシベル以下 | 45デシベル以下 | 相当数の住居と合わせて商業、工業等の用に供される地域
| 60デシベル以下 | 50デシベル以下 | | | |
これには但し書きがあります。この但し書きは騒音の規制の緩和(かんわ)です。ここでの緩和とは規制をゆるめることです。
「但し、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする」がそれです。
地域 | 基準値 | 昼間
(午前6時〜午後10時) | 夜間
(午後10時〜翌日の午前6時) | 専ら住居の用に居される地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域
| 60デシベル以下 | 55デシベル以下 | 主として住居の用に供される地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域
及び
相当数の住居と合わせて商業、工業等の用に供される地域のいうち車線を有する道路に面する地域
| 65デシベル以下 | 60デシベル以下 | | | |
備考 車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。
更に特例もあります。緩和の更に緩和となります。その条件は「この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。」とあります。この基準値には、細かな条件である評価値が求められます。
地域 | 基準値 | 昼間
(午前6時〜午後10時) | 夜間
(午後10時〜翌日の午前6時) | 専ら住居の用に居される地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域
| 65デシベル以下 | 70デシベル以下 | ★備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができます。 | |
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