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1. はじめに「畳について」

2. 畳の歴史

3. 畳の原料「イグサとは」

4. 畳の構造「畳床」とは

5. 畳の構造「畳表」とは

6 畳の構造「畳縁」とは

7. 畳を織る「経糸」とは

8. 畳の分類

9. 畳の寸法

10. 畳の敷き方 1

11. 畳の敷き方 2

12. 茶室と四条半敷き

13. 畳の日常の手入れ

14 汚した時の応急処
  

15. 畳の交換と価格

16. 畳の上の正座
 (しびれない正座の
  方法)

      
 10. 畳の敷き方 1

 江戸時代から畳の敷き方には祝儀敷き(吉)と不祝儀敷き(凶)の二通りがありました。祝儀用の6畳間を基本の形とし、8畳・10畳・12畳・・・と敷きます。


 この敷き方は、「追廻敷き(おいまわしじき)」ともよばれます。追廻敷きは外側から順番に敷き詰めていく敷き方で、何かを追い回すような軌跡を辿ることから理解はし易いですね。追廻敷きは単に「廻し敷き(まわしじき)」とよぶこともあります。


 ■ 祝儀敷き(しゅくぎじき)

 祝儀敷きは、現在一般的に使われている敷き方で、本来は婚礼や祝い事の時の敷き方です。畳の敷き目が十字路の目(四つ辻)にならないように敷く敷き方です。下図の「祝儀敷き」ではそのような敷き方になっていますね。

 なお、祝儀敷きのことを「枕敷き(まくらじき)」と呼ぶことがあります。


 茶道では畳の敷き方・畳縁がお手前に重要な役割を果たしています。
また畳縁を踏まないこともお手前の作法です。これは、単に畳縁を踏むことで縁が擦り切れるのを嫌ったものです。昔の、畳の縁は畳より擦り切れ易かったからでしょう。


祝儀敷き(しゅくぎじき)
    




 ■ 不祝儀敷き(ふしゅくぎじき)

 不祝儀敷き(下の図)は、葬儀時の敷き方でした。畳はその都度、祝儀敷きから敷き替えていましたが、現在ではその様な習慣はなくなりました。現在では寺院や和室の大広間で使用されています。


 どこが不祝儀になるのでしょうか。それは例えば下の図の6畳を見ますと一番上の畳2枚とその下の2枚とで道路の十字路のようないわゆる四つ辻となっています。


 四(よん)は死(し)ともつながるとされ縁起が悪いということになります。上の図の祝儀敷きではどの敷き方も四つ辻(十字路のような)が出来ていませんね。


不祝儀敷き(ふしゅくぎじき)
    




 ■ 四畳半敷き(よじょうはんじき)

 四畳半の敷き方についても、知っていた方が良い決まりがあります。それに従わないといけないとはいえませんが、知っておいて損はないとおもいます。


 それは、下の図のようにの右巴(みぎともえ)の敷き方とする場合には、左側の図のように敷くのが、正しい敷き方です。逆に敷くと右の図のように切腹の間(せっぷくのま)と同じになり、不吉な敷き方となるのです。


 切腹の間は文字通り、武士が詰め腹を切らされた部屋です。その横に切腹した遺体のの検死をする検死の間(けんしのま)がありました。


四畳半敷き(よじょうはんじき)
    

 右の図のように、巴敷き(ともえじき)以外
の四畳半敷きにはもう一つあります。

 むしろこちらの方が一般的です。隅に半畳
が来ていますが、片引き戸などの出入り口
には来ないようにするのがしきたりです。





 ■ 三畳敷き(さんじょうじき)

 三畳敷きはあまり見かけません。私も数度しか見たことがありません。私がひと間貸しのアパートの4.5畳ひと間の部屋に住んでいた時、十何室かある中で一室だけが3畳の部屋でした。

 階段との兼ね合いでどうしても4.5畳の間取りにならなかったようです。三畳敷きをする場合には、下の図の左側のように敷きます。右側は不祝儀敷きとなります。
 上の図の右側を「誤」と記しましたが、こういう敷き方を絶対にしてはならないという意味ではなく、同じ敷くなら「正」としている方を選んだ方が良いだろうというほどのいみです。「誤」としている敷き方を「延敷き(のべじき)」といいます。これは、同じ方向に並べることからきた名称です。




 ■ 鬼門(きもん)半畳は避ける

 半畳を鬼門(陰陽家で鬼が出入りする門とされ万事につけて忌みきらわれる方角で表鬼門と呼ばれる東北の方角)に敷いた場合の四畳半を示しています。

 このように半畳を鬼門の方角に敷き合わないよう注意する必要があります。 半畳という1畳に半畳欠けるということから、東北東の鬼門に対して「欠け(かけ)」は大凶となるからです。




 ■ 床刺し(とこざし)はいけない

 床の間に対して畳の縁を直角(床刺し)にして敷いてはいけません。

 その理由は、上座である床の間の前の中央に畳の縁があると見た目が悪いことと、そこに座る主客が床の間の掛軸や生花を鑑賞する際に、座ったまま膝を滑らすことができないためです。

 まず床の間と平行に1畳敷き、それから他の畳を敷いていきます。
 

 床の間は座敷の床を一段高くし、掛け軸・置物・花などを飾る所です。畳敷きになっているのが一般的です。床脇は地袋や天袋があり、その中間の空間に「違い棚」などを設けたところです。床刺しは「床差し」「床挿し」とかくことがあります。
 床刺しがいけないのは畳の敷き方だけではありません。竿縁天井(さおぶちてんじょう)の竿(さお)も床の間に向かうのは同じ「床刺し」になりまりますからいけません。


その他にも、細かくあるようですが、間取りの時には最低限、気をつけなければならないものだけを挙げました。細かくいうと間取りが使いづらいものになりますから。




 ■ 畳(じょう)か帖(じょう)か?

 畳か帖、使い分けはどこにあるのでしょうか。これには特別な意味はありません。ただ、何畳(じょう)と書く場合、畳敷きの和室なのだと思われます。しかし、洋室である場合は、何畳を使うのは畳が敷いていないので不自然です。そこで帖を使うのだという考え方から来ているようです。


 もともと「帖」は、衝立や幕などの数え方の単位でしたが、今では部屋の広さの「畳」と同じ意味合いで使われるようになっています。単に、前述したように、和室の広さの畳と洋室の広さの帖の区別として使われるようになりました。発声音が同じであることからも頷けることですね。


 洋室の場合本来は畳でも帖でもなく何平米と表現すべきでしょうが、日本の家屋の畳の伝統から、何平米の表現より、洋室であっても何帖と表現した方が、ピンときやすいといえます。

 しかし、新聞などのチラシを見ていますと、和室でも洋室でも何帖と帖の字を使用していることが殆どです。これは、小さい文字で書く時「畳」では印刷文字が潰れてしまうので、見やすい「帖」としているようです。

 もっとも、左の図のように最近の不動産広告などでは、帖の文字もなく和室らしい畳の図と単に六畳なら「六」とか「6」などと書いてあるだけで、帖の文字すら見当たりません。また、和室は一棟に一間(ひとま)だけというのも当たり前になりました。







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