5.　トイレ内暖房について（住宅のケース）

　毎年、冬に高血圧症の人がトイレで倒れるという事故が後を絶ちません。

原因は暖かい部屋から出て、トイレに入る時の寒暖の差です。

　寒い冬にトイレに行くと、寝床で温まっていた体が急に寒さにさらされ、血圧が上昇し脳卒中などで倒れるわけです。血圧は一般に寝ている夜間に低くなり、目が覚める明け方にかけて上昇し、活動的な昼間に最も高くなります。しかし人によっては、朝だけ特に血圧が上昇する場合があります。これを早朝高血圧症といいます。

　高血圧症の人のトイレでの事故を予防するには、寒暖の差を防ぐために体から寒さを守ることです。寝床からトイレに行く時には面倒でも必ず厚手の何かを羽織ることを奨めます。

　高血圧症の人がトレでの事故を引き起こすもうひとつの大きな原因は、排便時にりきむことです。りきむと血圧が上がり、排便時に息をこらえて強くいきみ続けると、血圧が一時的に急降下し、排便が終わって、りきみをやめると、直後にまた血圧が急上昇するのです。

　このとき、血圧や心拍数が激しく変動しています。心臓や体などに大きな負担となり、心筋梗塞や脳卒中の発作の引き金になるのです。

参考として、ヒートテック㈱という会社から出ている埋め込み形暖房です。

　暖房便座はウォシュレットには殆どの場合設置されています。これだけでも、トイレで倒れる確立が相当減らすことが出来ます。

　また、こういう人のために、トイレの暖房も可能です。便座程度の高さに設けることが出来、厚さも5ｃｍ程度で納まり、木造住宅の壁埋め込みには何ら支障はありません。

他にも天井に取り付けるエアコン形も他社から出ています。

これから、家を建てられる方や、建てられている途中の方は充分に間に合いますので検討されてはどうでしょうか。

　しかし、既に建物に済まれている方でも埋め込みは日曜大工でできなくはありません。ただ、器具の固定に多少、下地の木材を追加する必要があるのと、その部分の壁を取り除いて、そのあとに復旧作業が必要になります。

　また、電気工事は素人ではできませんので、将来に設けるかも知れないとの考えがあれば、コンセントは設けておいたほうが良いでしょう。