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 W-Wallet  壁紙(クロス)




  法規制




 5. 壁紙(クロス)貼りの下地に求められる性能(不燃下地)

 壁紙(クロス)が内装材として壁面に利用する場合における法的な規制の根拠については、長文ながら前ページに列挙しました。前ページでは、壁紙を含めた建物の内装仕上にどんな規制があるのかを示しました。

 このページでは、前ページで示した内装制限の建物の内部壁仕上げの規制にどんな性能の下地が必要なのかを考えます。


 ■ 壁紙(クロス)含む仕上げ材の下地の必要性能

 まず壁紙(クロス)には、前ページに記した内部仕上げには、下地の防火に対する性能が要求されます。その下地と壁紙(クロス)そのものの防火に対する性能も同時に必要です。簡潔に言えば、下地が燃えにくいのに、燃えやすい壁紙(クロス)を貼っても建築基準法等を満足しない、ということです。従って、必要な防火の性能は壁紙(クロス)と下地とが同等かそれ以上である必要があります。これは、基本的な考え方です。


 次の表は壁紙(クロス)の下地の防火性能の建築基準法等に依る基準をしめしたものです。防火に対する性能は加熱開始後の時間によって定められています。その性能区分に応じて国土交通大臣が「防火材料」を定めて(または認定して)います。

     壁紙(クロス)を含む建築材料の必要性能の要件
@

燃焼しない(非燃焼性)(下の表の@-1〜@-3)

A

防火上有害な変型・溶融・亀裂・その他の損傷を生じない(非損傷性)(共通)

B

避難する際に有害な、煙やガスなどを発生しない(非発煙性)(共通)



 上記三つの内で@には三段階があります。このうち下表のとおり@-1の不燃性能がもっとも火災に対して余裕が持てます。即ち避難と初期消火の余裕があるといえます。


 1分で60mの速度で健常者なら避難が可能です(避難安全検証法による告示の数値)ので、@-1では避難に相当な余裕を持つことが出来ます。


 また、不燃性能とありますが、決して燃えないという訳ではありませんので注意してください。火災時の高温になれば燃えます。

 尚、上の表で(共通)としているのは「不燃性能」「準不燃性能」「難燃性能」に共通した事項であるという意味です。



      クロスを含む建築材料の防火性
@-1
不燃性能加熱開始後20分
(加熱後20分は燃え出さない)
@-2
準不燃性能加熱開始後10分 
(加熱後10分は燃え出さない)          
@-3
難燃性能加熱開始後5分
(加熱後5分は燃え出さない)

*壁紙の防火性能は下地基材と施工方法との組合わせによって認定されたものです。
*その性能により不燃材料、準不燃材料、難燃材料に分類されます。

*下地基材は不燃材料、不燃石膏ボード、準不燃材料、金属板となっています。

*不燃材料は建設省告示第1400号(平成12年6月1日施行)ならびに国土交通省告示第1178号※による改正

*準不燃材料は告示第1401号(平成12年6月1日施行)でそれぞれ国土交通大臣が定めたものになります。


※告示1178号による改正と経過措置
石綿スレートは平成16年9月29日付けの改正告示1178号により、告示1400号から除かれたが、「告示1178号の施行の目前に製造され、輸入された石綿スレートについては、この告示の施行後も、なお不燃材料と見なす」との経過措置がとられています。



左の画像は、ごく一般的なビニールクロス(ビニクロと略すことが多い)の一例です。これはサンゲツというメーカーの織物調の製品です。

サンゲツでは、この商品において、準不燃 防火種別2-3 塩化ビニル樹脂系壁紙の防火認定を受けています




 ■ 壁紙(クロス)+下地材(不燃材や準不燃材)

 壁紙(クロス)は、何かに貼る以外の仕上げは考えられません。例えば石膏ボードの上に仕上として貼る、モルタル鏝(こて)押さえの壁に仕上げとして貼るなどです。ほとんどのケースで下地はボードです。

 その下地材にも仕上げとしてクロスを張る場合には、規制が及びます。いくら不燃性能の壁紙(クロス)を貼っても、下地材がベニヤ板では所定の不燃性能とは言えません。従って、下地共不燃でなければならないのです。勿論、準不燃性の壁紙(クロス)を貼って仕上げる場合、下地が不燃材であれば、尚更良いことといえます。この場合はそれでも準不燃性能の壁紙(クロス)の性能として評価は出来ませんが。


 そこで、下地として利用される不燃材であるものと、準不燃材のものを下記に列挙します。建築材料には、様々なものがあり、此処に挙げたのは誰でもが知り得るごく一般的なものばかりです。また、これらは建築基準法や建設省告示などで定められたもので、いわば公的に認定された不燃材、受不燃材です。


 そのほかにも、建材メーカーなどが材を開発して個別に認定を受けるケースもあります。下記にはそれらは含んでいません。


 ■ 下地としての不燃材や準不燃材について

 下地が不燃材や準不燃材であるもので、建築基準法や告示などで公的に認められたもの(つまり、個別の認定を受けたものでないもの)はどんなものがあるかについて、下表にまとめました。それらは、建築基準法や告示に記載されているものですので、その表の下段に条文そのものを載せておきます。

不燃材料を定める件(建設省告示第1400号)
不燃材料 コンクリート
 レンガ
 瓦
 陶器質タイル
 繊維強化セメント
 厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント版
 厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム版
 鉄板
 アルミニウム
 金属板
 ガラス
 モルタル
 しっくい
 石
 厚さが12ミリメートル以上のせっこうボード
 (ボード用紙原紙の厚さが0.6ミリメートル以下のものに限る)
 ロックウール板
 グラスウール板



準不燃材料を定める件(建設省告示第1401号)
第一1. 不燃材料のうち通常の火災による火熱が加え
  られた場合に、加熱開始後20分間建築基準
  法施行令第108条の2各号に掲げる要件を満
  たしているもの
2. 厚さが9ミリメートル以上のせっこうボード
  (ボード用紙原紙の厚さが0.6ミリメートル以下の
  ものに限る。)
3. 厚さが15ミリメートル以上の木毛セメント板
4. 厚さが9ミリメートル以上の硬質木片セメント板
  (かさ比重が0.9以上のものに限る)
5. 厚さが30ミリメートル以上の木片セメント板
  (かさ比重が0.5以上のものに限る)
6. 厚さが6ミリメートル以上のパルプセメント板
第二 グラスウール板
 1. 不燃材料
 2. 第1第2号から第6号までに定めるもの



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