| 鴨居(かもい)は、和室の襖や障子などの建具を立て込むために引き戸状開口部の上枠として取り付けられる横木のことを言います。その反対にあるのが「敷居(しきい)で、上下に対になって建具を受けています。簡単にいえば、建具を滑らせるために溝を彫られ上部に渡されているレールや溝の付いた水平材のことです。
鴨居は古くは、「鴨柄(かもえ)」と呼ばれていましたが、いつしか「鴨居」と呼ばれるようになったようです。鴨は水鳥であり、水の連想が建物の防火の願いに通じています。
和室についているドア等の開き戸の場合は上枠、下枠といいます。施工業者の間では、開き戸のものも全て鴨居と呼ぶことがあります。
| 鴨は水辺に住む生き物です。水の連想から、転じて火災から建物を部材となったものといわれています。「懸魚(けギョ)」や「鯱(しゃちほこ)」なども、同様の意味合いを持っています。 |
| 和室の引き違い戸(襖)の上の横木を「鴨居(カモい」といい、それ以外の壁についている同じレベルにある横木を「付け鴨居(つけガモい」といいます。 |
なぜ「鴨居(かもい)」なのかについては、別の説もあります。 「噛む(か・む)居」:建具が倒れないように溝があって支えているからこの「かむい」が変化して「かもい」になったのではないか。
「鴨」は当て字という説です。なるほど、「敷+居」に対して「噛む+居」は理に適っているように思えますが、個人的には冒頭の方を信じたい気がします。
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