| 寒い冬の日、暖かい部屋からふと窓に目をやると、暖房のせいでガラスが曇ってしまっている。そこで、曇りを拭こうとして窓辺に寄ると、窓のアルミの枠には水滴がびっしり、大きな玉となって、そこかしこに浮いている。そういう経験は、誰にでも良くある事ですね。これが私達が一番良く目にする結露とうう状態です。これについては、前ページで解説しました。 | しかし、結露は窓サッシやそのガラスに起きているだけではありません。実は人の目につかないところにも発生しています。したがって、窓ガラスの水滴をつかないような、あるいはそれらを吸収するスポンジを取り付けるような場当たり的な対応だけでは、根本的に解決したことにはなりません。
では一体、ひと目のつかない場所とはどこになるのでしょうか。どの辺に発生するのでしょうか。下表は、結露に有効な断熱材が施工されていない、気密性の高い建物の中の各所の結露発生を示したものです。 |
■目に見えない結露の主な発生場所 | @ 建物の部屋内 | 建物の外部に面している壁の部屋内側。特に入隅(いりずみ)部。入隅とは例えば、壁のコーナー部分で出っ張っている部分ではなく、凹んだ部分のことです。 | A 壁の中 | 断熱材がない壁の内部。 | B 小屋裏 | 断熱材がない天井裏や小屋裏(屋根の内部側) | C 小屋裏以外 の天井の懐 | 例えば、2階建ての場合、1階の天井の懐(ふところ)。 | D 床下 | 通気のない、あるいは悪い床下。 |
なお、1階天井懐(ふところ)とは、天井より上の部分で、上階の床より下の部分の空間をいいます。
このほかにも、意外と気が付かない場所も結露しやすいところがあります。それを下記にまとめました。
| 物入れとか押入れは、通常は閉鎖された空間で空気の循環がほとんどありません。従ってどうしても湿気がこもりやすくなります。物入れや押入れ戸を開けて置いても、ものが収納されていれば、効果は限定的です。
そこで、対策として布団などを押し入れにしまう場合は、外干しするなどをして、湿気を押し入れに入れないようにします。押入れ内の床部分に、すのこを敷いたり壁際を透かすなどが改善できる方法の一つです。 |  | 画像出典:マーベル
| 靴も人が履くものですから、足から湿気を吸収しやすく、それを入れて置く下駄箱も湿気が溜まりやすくなっています。下駄箱をの扉を開けると、嫌な臭いがするのも、雑菌の繁殖のせいです。
出来るだけ空気の入れ替えをするようにするほか、長期に履かない靴を保存する場合は十分外気で乾燥させてから入れるようにします。 |  | 画像出典:ニトリ
| 本棚の本も湿気を吸いやすく、本と本の間隔をあまりぎゅうぎゅうにせず余裕も持たせるようにならべます。
また、本棚全体を背後の壁面にぴったりとくっつけず、少し透かすように設置します。背面に換気を採るためです。本棚の上部も空間があった方が良いでしょう。 |  | 画像出典:マルガリータ
| 台所は、もともと水分の多い場所であり、これを避ける方法はありません。対応方法は換気を心がけることです。意外にキッチンマットにも湿気が溜まりやすいので、ダニなどが繁殖することが多く、外干しなどを行うようにします。 |  | 画像出典:TOTO
| 十分乾燥しないまま食器などを収納すると、湿気がこもります。ほこりが入りやすいマイナス面もありますが、食器棚の戸を少し開けておくことを勧めます。
|  | 画像出典:Dinos
| 最近はユニットバスの利用が進んでおり、水分が風呂の外に漏れだすようなことは殆どあり得ません。しかし、換気を放置すると、ユニットバス内にカビが生じます。
ユニットバスなどでは、換気のボタンを押せばセットされた換気時間を換気して自動的にスイッチが切れるようになっています。換気の時は、窓を開けるようにして乾燥を早めるようにします。 |  | 画像出典:TOTO
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