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JW−CADはいかに楽に図面が描けるかを考えを突き詰めてかんがえてあります。その結果、マウス操作に他のソフトにない特徴があります。 他のCADソフトではマウスの左右のボタンの使い分けとしては、左のボタンは肯定操作、右のボタンは否定動作に使う場合が多く、殆どの操作を左ボタンで行い、これを否定する時つまりキャンセルの時に右ボタンを使う程度の差です。 しかし、JW−CADでは、マウスの左右では明確に区別されています。例えば、指定点へのスナップは、右クリックです。任意の点には、左クリックと指定されています。スナップ、コーナー処理時の線の切断、数値入力時の前回数値の選択がマウス右クリックに割り当てられています。 このように右クリックを積極的に使うことにより、一つのコマンドを倍の意味に使い分けているのです。 左右のボタンの使い分けをさらに進化させたものが、AUTOモードです。AUTOモードでは左右のクリックの別に加え、その時指示するものが、線であるのか、点であるのかの違いまでも区別して、異なる処理へと進みます。メニュー選択をすることなしに、「水平、垂直線」「斜線」「ボックス」「複線」「線伸縮」「コーナー」「線消」「円」「円弧」の各処理が実行できます。
JW−CADのWindows板から採用されたメーニュー取得方法です。時計のように午前午後に分かれてそれぞれ、12個づつのメニューに分かれて取得できます。例えばマウスを押して、右上1時方向に引くと、線や矩形、左を押して右上に引くと、指定された点からスナップして線や矩形が引ける。これらは、デフォルト値であり自分の使いやすいようにカスタマイズが可能です。最初はDOS時代を使ってきた私には、ちょっと使いにくい気もしますが、Windows板から始められた人にはとてもうれしい機能です。アイコンが画面の左右に並んで、狭くなった画面は見づらいものです。使い始めていかに良く考えられたメーニュー選択の方法かが実感できます。こうした方法は、ほかのCADには決してありません。
CADの図面を書く場合、全体を把握しながら、詳細を書き進めますので、CAD 画面の縮小と拡大の繰り返しを頻繁に行います。そこで、JW−CADでは、その操作をマウスの左を押して右下に引くこと範囲の拡大が、左上に引くと拡大前に戻ります。左クリックで右上に引けば図面全体が表示されます。また、登録すれば、Page upで拡大、Page downで縮小も出来ます。画面下のバーの倍率のクリックでも可能です。
現在、私は、JW−CADで仕事をすることはめったになくなりました。AUTO−CADの使用が義務付けられた、大手のゼネコンで働いているからです。
この拡大縮小がマウスの中央のロールで行えるようになってからAUTO−CAD(2000i)も格段に使いやすくなりましたが、それまでのAUTO−CADなどは、使い物にならない位でした。JW−CADの使い勝手は今でも恋しくなります。
これはパソコンのWindows時代に入る前からのJW−CADのDOS番から、日影図の作成機能があり、手作業で日影図の作成を行っていたものが簡単に作成できるようになりました。これには本当に助けられました。手作業での日影図の作成や、任意の点での日影時間など、が一瞬にして可能なのです。もちろん市販のソフトにも対応したものはありましたが、高価で、本体ソフトとは別に買い足さなくてはなりませんでした。もちろんAU TO−CADでもそうです。
建築の図面を書くとき、例えば鉄筋コンクリートで出来ている建物では、四角い柱と、そこに連なっている壁とは、一体になって出来ていますから、最初に四角い柱を書き、壁をその柱に書き足すと、柱と壁との間の線は消さねばなりません。JW−CADでは、そうした面倒な作業を包絡処理のコマンドを使えば簡単に終わらせることができます。これは今のAUTO−CADにはない機能です。あれば実に便利な機能です。
建物を立体的に見たい。と言う願望は、ますます増してきました。DOS時代から、2.5D機能があったJW−CADですが、もちろんWindows版にもあります。しかし、さらに進めて、3D機能もどうしても欲しいところです。市販のソフトは、2.5Dではなく、3D機能を備えたものは、高価で、操作性も難しく、今のパソコンの能力では力不足の感がぬぐえません。その辺の事情を加味して、2.5Dのままなのかも知れません。
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