| 23. タイル手張り工法 内装タイルの接着剤による工法 |
この工法は、主として内装タイルに適応します。昭和30年代からボード下地へのタイル張りとして用いられましたが、材料開発の進展によって、ボード下地はもとよりモルタル下地など多くの下地に適用できるようになりました。施工法は圧着張りと同様で、張り付け材料がモルタルから有機質接着剤張りとなります。
圧着張りの欠点である塗り置き時間の問題は同じ様に残りますが、モルタル施工に比べて剥離の危険性がはるかに少なく、白華が起きないこと、施工性がよいことなどから急速に普及しています。
接着剤張りの長所と短所 | 長 所 | @ | モルタル等と比べて軟質であるため、下地挙動の影響を受けにくい。(目地材も軟質にする必要がある) | A | 施工能率が高い。 | B | 種々の下地に適用できる。 | 短 所 | @ | 一液乾燥硬化型では、塗り置き時間の影響を受けやすい。二液反応硬化型では、混練後のポットライフに注意が必要である。 | A | 使用場所、使用環境にあった、接着剤の選定が必要である。 | B | モルタル系の材料と比べて、材料コストが高い。 |
| 施工のポイント
実際の施工の際には以下の4点がポイントとして上げられます。
@ | 接着剤選定に注意します。判断に迷う場合にはエポキシ系を選定します。 | A | 下地を十分に乾燥させてから、タイル張りを行います。特に、モルタル下地の場合、材齢が短くて湿っている場合には、湿潤面硬化タイプのエポキシ樹脂を用います。 | B | 塗り厚を厚くし、櫛目ごては十分たてて塗るようにします。 | C | 一液乾燥硬化型の接着剤では、皮張りしたら接着剤を丁寧に掻き落とします。 |
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内装タイルの接着剤に拠る工法時の接着剤の種類と使用条件 | \ | L-41,42 | A-51S、52 | E-73 | 主成分 | 合成ゴムラテック ス | アクリルエマルジ ョン | エポキシ | 硬化形態 | 乾燥硬化型 | 乾燥硬化型 | 反応硬化型 | JIS区分* | タイプV* | タイプU* | タイプT* | 使 用 壁 面 | 洗面所・トイレ・台所 | ○ | ○ | ○ | 一般浴室 | × | ○ | ○ | 営業用浴室 | × | × | ○ | 玄関周りの外部 | × | × | ○ | 下地の状態 | 乾燥 | 乾燥 | 乾燥(湿潤でも 可) | 目地込みまでの期間の目 安 | 夏場2日/冬場3日 | 夏場2日/冬場3 日 | 夏場1日/冬場2 日 | 浴室使用までの期間の目 安 | ━ | 夏場20日/冬場 20日 | 夏場2日/冬場7 日 | 耐水性 | 少 −--------------------------------- 大 | コスト | 少 ----------------------------------- 大 |
JIS区分(*印部説明) | タイプT | 湿っている下地に張り付け後、長期にわたって水および温水の影響を受ける箇所に用いるもの。(マンション・大衆浴場・寮までの浴室に使用可。 | タイプU | ほぼ乾燥している下地に張りつけた後、完結的に水および温水の影響を受ける箇所に用いるもの。(戸建浴室に使用可) | タイプV | ほぼ乾燥している下地に貼り付けた後、水および温水の影響を受けない箇所に用いるもの。(台所・洗面所等) |
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