| 29. 壁タイルの特殊下地への対応(1) コンクリート地 |
タイル張り下地としてはモルタル下地が一般的ですが、最近では躯体コンクリートや帳壁材を下地としてタイル張りを行う例が、非常に増えてきています。ここでは、躯体コンクリート、ALC板、セメント押出板をタイル下地とする場合の施工尾ポイントについて、述べていきます。
大形パネル型枠の使用などにより、コンクリートの仕上がりの精度の向上。最近では工期の短縮、省力化、コストダウンを目的として、コンクリートに直(じか)にタイルを張る「直張り工法」(じかばりこうほう)が多くなっています。
しかし、ともすれば施工の品質向上よりも、工期短縮やコストダウンを指向するあまり、タイルの剥落する事故を起こすことにもなりかねません。従って、直張り工法の問題点を十分に考慮して施工を行うことが必要です。また、剥離を防止するために、MRC工法で躯体を作成してタイル張りを行うことを推奨します。
コンクリート直張りの問題点 | @ | コンクリート面は、モルタル面程精度がよくないため、不陸補修が必要です。 | A | 今栗と面は平滑で、かつ不陸補修のため均一な吸水性が得られず、表面処理が必要です。 | B | 緩衝材としてのモルタル層がないため、コンクリートの挙動に対する追随せいを確保することが必要です。 |
コンクリート直張り施工のポイント | @ | 大きな凸部は、ハツリをかけ、躯体表面の脆弱な部分を取り除いてからデッキブラシ等を用いてから水洗いを行います。また、凹部やジャンカ部、ハツリ部はポリマーセメントモルタルを塗り付けて補修します。コンクリート面の制度は右表を目安とします。 | A | 躯体表面処理はポリマーセメントモルタルのこすり塗りを行います。ポリマーセメントこすり塗りの場合は、合成ゴムラテックス系、EVAエマルジョン系、または、アクリルエマルジョン系おいずれかで水湿したコンクリート下地に金ごてを用いて、1〜2o厚さに塗ります。 | B | タイル張りは、一般モルタル下地への施工と変わりませんが、接着性の向上とコンクリート挙動に対する追従性を向上させるため、張り付けモルタルはポリマーセメントモルタルとします。 |
コンクリート直張り施工の必要面精度 | 改良圧着張り | ±3.0o/2m | 改良積上げ張り | ±3.0o/2m | 密着張り | ±3.0o/2m | モザイクタイル張り | ±2.0o/2m | マスク工法 | ±2.0o/2m |
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