上棟式における式の進行は地鎮祭における手順と殆どが同じです。違うところは二つあります。
一つは、地鎮祭では「5.祝詞奏上(のりとそうじょう)」の次に「切麻散米の儀」(きりまいさんまいのぎ)が行われますが、これを省略している事です。これは上棟の儀で「散餅散銭の儀(さんべいさんせんのぎ)」を行うので省略するためです。
もう一つは当然ながら、地鎮祭の時には「地鎮の儀(じちんのぎ)」を行うところが、上棟式では「上棟の儀(じょうとうのぎ)」となる事です。
木造の上棟式の進行の概略
| 式順と式名 | 式の内容 | 1.手水の儀 | 「てみずのぎ」と呼びます。式場に入る時に身を清める意です。式場に入る前に実を清める儀式です。
| 2.修祓の儀 | 「しゅうばつのぎ」と呼びます。心身の罪,穢れをを払って清浄になる儀式。おはらいの儀式です。
| 3.降神の儀 | 「こうじんのぎ」または「こうしんのぎ」と呼びます。祭壇に神霊をお招きする儀式です。
| 4.献饌の儀 | 「けんせんのぎ」とよびます。 おいでになった神霊にお供えをする儀式です。
| 5.祝詞奏上 | 「のりとそうじょう」と呼びます。 氏神を始めとする神々にお祝いの言葉を奏上します。
| 6.上棟の儀 (木造の場合)
| 「じょうとうのぎ」と呼びます。 大工や工作者たちが棟上の儀式をおこないます。
@ 曳き綱の儀(ひきつなのぎ) | | 棟木を綱で棟木取付位置に曳く儀式です | A 槌打ちの儀(つちうちのぎ) | | 棟木を取り付ける儀式です。 | B 散餅散銭の儀(さんべいさんせんのぎ) | | 餅次に銭を撒く儀式です。 | C 丈量の儀(じょうりょうのぎ) | | 棟木の長さを図る儀式です。 | D 鳴弦の儀(めいげんのぎ) | | 弦を鳴らし妖魔を祓う儀式です。 |
| 7.玉串奉天 | 「たまぐしほうてん」と呼びます。 建築する土地の永遠の安定と建築主や工事関係者の守護をねがい、玉串こめて奉り拝礼するものです。
| 8.撤 饌 | 「てっせん」と呼びます。 祭壇から供物(くもつ)を下げる儀式ですが、現在では実際に下げるのではなく、4.で行った献饌の儀の時に取った供物にしていた蓋を元に戻す所作を行うものです。
| 9.昇神の儀 | 「しょうしんのぎ」と呼びます。 祭壇から神がお帰りになる儀式のことです。
| 10.神酒拝戴 | 「しんしゅはいたい」と呼びます。 神前にお供えしてあった神酒(みき)を参列者が頂戴する儀式です。
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| 木造における上棟式式次第の一例 |
上記の「木造における式次第」としていますが、鉄筋コンクリート造(RC造)においても式次第自体は変わりません。
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