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 W-Wallet 騒音


1. 騒音とは何か?

2. 音はどのように発
  生し伝わるのか

3. 騒音の種類と地域別
  基準値

4. 建物の構造で違う騒
  音の度合い

5. 外壁からの騒音

6. 外壁の設備穴からの
  騒音

7. 窓ガラスからの騒音

8. 窓サッシからの騒音

9. 外壁伝いに階下への
  騒音

10. 隣接する部屋からの
  騒音

11. 建物内部の界壁間の
  騒音

12. 給排水の騒音と対策

13. 建物内 床からの騒
  

14. 床からの騒音 重量
  床衝撃音

15. 床からの騒音 軽量
  床衝撃音

16. 重・軽量床衝撃音の
  低減方法

17. 木造の重・軽量床衝
  撃音の低減方法

18. 既存建物での騒音
  対応策

19. 音のもたらす効果

     
 11. 建物内部の界壁間の騒音

 施工や工法に不良箇所がないにも拘わらず、隣家や隣室に騒音が伝わるという問題があります。これは、設計の段階での対策不足とも言えなくはありません。しかし、どこまで騒音の低減のために建設費を費やすかは、その建物を建てる施主の判断となります。

 これまで述べたようにドスン、ドスンという音やコツコツという音が隣家や隣室に騒音として伝わるということも勿論ありますが、その中の多くは騒音というには音が小さく、それでいて気にせずにはいられない音もありました。

 隣家や隣室といえば、マンションやホテルでそれぞれを壁で仕切っています。この壁はコンクリート製やALC製の分厚い壁のことが多く、「界壁(かいへき)」と呼んでいます。隣家や隣室の騒音にはこの分厚い壁そのものではなく、その外側(室内側)の仕上げ方法に問題がありました。

 分厚いコンクリートの壁で仕切られている筈なのに・・・・一般の人が考えることは当然です。当初は、建築の専門家でも何が原因なのか、わからなかったのです。後に、それは、コンクリートに面する仕上げに問題があるのではないか、となったのです。




 ■音が隣に伝わる、、、

 一般的にいって、騒音を防ぐには重量が重いほど効果が発生します。上に述べた鉄筋コンクリートやALC製の界壁であれば、その効果は非常に高いものです。それにも関わらず、どうして騒音とも言えないほどの音が伝わることがあるのでしょうか。そこに壁仕上げの問題がありました。

 問題の仕上げとは?

 お隣とのコンクリートの壁に石膏ボードを直貼(じかば)りする方法があります。30cm程度のピッチでGLボンドと呼ばれる接着材をコンクリートの壁に取り付けます。これは、粘りのある饅頭くらいの大きさです。

これに、更にボードを押し付けると、接着されて、仕上げが出来るというものです。これを「GL工法」といい、当ホームページでも「GL工法」としてページを設けていますので参考にしてください。 なお、GL工法は吉野石膏鰍フ登録商標ですので一般的には「直貼り工法(じかばりこうほう)」と呼ばれています。


 直貼り工法はコンクリート面に特別な下地を必要とせず、このボンドで石膏ボードを貼りつけて内壁を作りますので、短期間で安くボード貼りが可能なことから、多用されるようになっています。画期的で優れた内壁仕上げ方法です。

 それまで、隣家や隣室とのコンクリート壁にペンキを塗ったり、クロスを貼ったりするためには、手間と時間がかかるため、こうした工法が開発されました。

 しかし、この直貼り工法(GL工法)は、隣家や隣室の音がこのGLボンドと呼ばれる接着剤からボードに伝わり、仕上げ材と一体となって音の振動に対して、バネのように働き、結果的にはお隣の話し声などが聞こえる結果となったのです。話し声など、特にプライバシーに関する音域である250Hzと2〜4kHzに遮音性能の落ち込みがあります。




 ■問題の解決方法は?

 問題の解決方法は簡単に言えば、直張り工法をしない事です。しかし、前にも書きましたが、コンクリートの壁に直接仕上げをするには、手間(お金)と時間がかかるため、今でもこの工法がとられているマンションも少なくありません。


 最近では、お隣とのコンクリートの壁面に直接、接しないで内側に下地を作って、壁を作り、ボードを張る仕上げも行われるようになっています(下の図右側)。この場合でも直貼り工法よりはるかにコストがアップします。しかし、やむを得ません。


 では、既に出来上がってしまっている場合はどうすればよいのでしょうか。

 こうした場合は現況の直張工法をやめて、直接仕上げとする方法が第一です。しかし、GL工法に依るGLボンドを取り除くのは、容易なことではありません。なかなか取れないのです。そこで、GLボンドの大半はそのままにして、現状の直貼りの内側に新たに下地を組んでボードを張るということが考えられます。下の図は、木製の下地になっていますが、LGS(軽鉄下地)の下地を組んでもよいでしょう。



 左の図直貼り工法によるボード仕上げ
 右の図コンクリート面には直接に接しないで、木軸を組んでボード仕上げ

なお、決して吉野石膏のGL工法を否定しているわけではありませんので了承ください。





 上の図は、縦型ALCに対して、内側にLGS(軽鉄下地)を建て、その上にボードを張ったものです。ALCとの隙間も7-10o程度取っています。断面図ではLGS幅が狭いものを使用していますので、座屈防止に控えをALCにとっていますが、要所においてのみです。このLGSの壁は天井のLGSまでとしています。

 画像出典:オクジュー





 ■既存の改修には新たな問題も

 既存のGL工法(直貼り工法)の内側に地を組んで更に壁を設ける方法を上記に挙げましたが、仕上げとも含めて最大で120mm程度は部屋が狭くなる問題が生じてきます。また、その壁面に電気設備とうの配線があれば、新しく出来た壁に設置し直す必要も生じます。


 逆にGL工法の壁をGLボンドも含めて取り払って、コンクリート面やALC面にペンキ塗りを行う場合は、GL工法によって取り払った壁の分だけ部屋は広くなりますが、その部分の床仕上げも必要となってきます。また、GL工法の壁についていた電気設備もどのようにするのかを考える必要も出てきます。







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