| 鯱(シャチ)といえば下の図のような白黒のツートンカラーの海の獰猛なイルカを思い浮かべるのが通常です。また、鯱鉾(しゃちほこ)といえば、名古屋城の天守閣にあるもう一つの下の図のような金色に輝くものを思いつきます。しかし,、同じ「鯱」でも両者は似ても似つかないものです。
同じ鯱がついても鯱鉾は架空の生き物を具現化したもので似ても似つかないのは当然かも知れません。両者には何ら関係はありません。
日本の『鯱』とは海に住み、よく雨を降らすとされるの空想上の生き物で頭は虎で体は魚とされていることから「魚へんに虎」と書きます。
これは日本で考えられた字で漢字ではありません。起源はインドとされ日本では、伊勢沖に住んでいるといわれていました。口から水を吐くことから、火よけの守りであり、権力の象徴として安土桃山時代から櫓や天守閣に使われるようになったといわれています。雌雄一対をなし、逆立ちをして反り返った姿につくられている。鴟尾(しび)が変形したものという説もあるとされています。
鯱の一字だけで、しゃちほこと読むことがあります。鉾の字は、飾り付け位の意味でよいかと思います。また、建物の火災からの守り神として、水を連想させることもその意味合に含まれていると思われます。
| 上図:鯱(シャチ) | 下図:鯱鉾(しゃちほこ) | |
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