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敷地は道路に接道していない敷地は建物を建てることが出来ないとこれまでから書いてきました。では敷地に対して道路がどの位置にあるのが好ましいのか、を考えてみましょう。下記のようにポイントをつけてみましょう。
◎ ・・・・・ 4点 〇 ・・・・・ 3点 △ ・・・・・ 2点 ▲ ・・・・・ 1点
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道路が敷地のどの位置であるのが好適か | @ 南側道路 | ◎ | B 西側道路 | ◯ | A 東側道路 | ◯ | C 北側道路 | △ | 南側道路一番良いことになります。南側道路とは敷地に対して、南側に道路があるということです。南側に道路があるということは、南からの陽当りが良いといえます。角地を買うなら、敷地の南側面が長く東側面が短い目であることがいちばんよいといえます。
次に、道路と敷地の接する長さはどれだけあれば好適か、ですが、一般的に長い方が良いことは当然です。間取りや採光・通風が取りやすくなります。下の表では、1.の12m以上あれば申し分ありません。敷地に奥行きがあればなお良いといえます。4.の5m未満といえば、いわゆる二間間口の建物となり、間取りや採光・通風は非常に劣ります。
道路と敷地の接する長さどれだけあれば好適か | 1. 12m以上 | ◎ | 3. 5m以上 | △ | 2. 8m以上 | ◯ | 4. 5m未満 | ▲ |
「建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2メートル以上接しなければならない」と建築基準法で規定しています。これを「接道義務」といいます。この条件は最低限満たさなければなりません。下記のケースのほかにも、よく見かける道路と敷地との間に水路がある場合があります。この場合も、この敷地が他の道路に面することがないのであれば、この水路に幅2m以上の幅の橋を架ける事になります。
道路のために敷地を提供することになるケース1 |  | 敷地Aは黄色の部分Bも含んでの敷地ですが、前面道路つまり接している道路が4m未満であるため、4m未満の道路の中心線から2m下がったところまで道路として敷地を提供しなければ、この土地に建物を建築することは出来ません。
Bの部分は勿論、敷地面積からなくなるわけですから、それだけ敷地が狭くなります。敷地面積に対する建物の建築面積の割合(建蔽率)の敷地面積からもBの部分は含めません。同じ様に道路の反対側(ずの上の「他者の土地」も建物を建てるときには、同様に2m下がります。勿論、無償です。
不動産の売り物件などでは、道路として提供しなければならない部分を含んで敷地面積を記載していることが多いので、注意しなければなりません。
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道路のために敷地を提供することになるケース2 |  | 敷地Cの反対側に河川、がけ、鉄道などがある場合は4m未満の反対側(河川、がけ、鉄道側の道路端から一方的に4m下がらなければ、敷地Cに建築することは出来ません。水色塗り部のD部分は道路に提供することになります。
上記と同様、敷地面積からもこの部分がなくなることになります。そのほかは建蔽率等も上記と同様です。このケースでも、勿論無償です。これも、不動産の売り物件などでは、道路として提供しなければならない部分を含んで敷地面積を記載していることが多いので、注意しなければなりません。
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道路と敷地の間に水路等があるケース |  | 敷地と道路の間に水路等があるケースです。この場合、現状では接道していないため斜線の部分に幅2.0m以上の橋を架けることで接道義務を果たすことが出来ます。水路の権利権利者との間で水路の専用の占用許可を受け、一般的には要求される金額を支払うことになります。橋の位置は、特に水路権利者の指定がない限り自由に決められます。当然ですが、接道する道路が図の示す通り、4m以上の幅員(道路幅)があることが必要です。
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近年、大規模な宅地開発が宅地需要の衰退から供給が減り、場当たり的なミニ開発が非常に多くなっています。それは、新しくできた宅地の中の道路が行き止まりになっているタイプの開発に多く見かけるところです。行き止まり道路とは、その名の通り道路の一方がどの道路にも繋がっていないものです。従って、住んでいる人も、用事で出入りする車も、非常に使い勝手が悪いものとなります。
これらの敷地は、大きな工場跡地の宅地開発とか田畑の埋立て開発した宅地の中に設けられるものです。ここでの道路はその道路を取り囲む住宅の人たちだけで共有されていることが多く、その多くは私道となっているケースもあります。私道は、そこに接道する住宅の持ち主が自分の土地を提供しあって出来たもので、各個人の所有者が道として分担した持ち分と範囲が明確に決まっています。
私道となりますと、その維持管理もしなければなりません。道路管理者に公道として維持管理をしてもらう方法もありますが、私道の持ち主の全員の合意が必要ですし、提供した道路分も持ち分を放棄する必要があります。
もちろん、そうではなくミニ開発の段階で私道負担とならないケースもあります。いずれにしても、これらの道路は新たにできるもので、宅地の一部であるべき土地を提供していることに変わりはありません。宅地開発をした業者が、新たにつけた道路のコストを、分譲した土地に割り振りして載せているからです。
では、なぜ行き止まり道路が出来るかといえば、道路を設けないと建物が多く建てられない分譲業者の都合があるからです。つまり、道路に面せずには建物は建てられないから道路を付けるしかないという訳です。
そこで行き止まり道路の例を挙げてみましょう。車の回転場所の形状は様々なタイプがあり、ここでは円形とT型の二種類だけを取り上げました。なお車の回転とは、車を方向転換できる場所ということです。なお、道路幅が、6m以上であれば回転広場は設ける必要はないことになっています。
行き止まり通路の奥行きが35m未満の場合 |  | 行き止まり道路の基本形はこのような形をしています。35mの長さの道路に面して住宅を建てることが出来ます。道路とは2m以上敷地に接しておればよく、旗竿地の形状の敷地もよく見かけます。
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行き止まり通路の奥に車の回転ができる広場を設けた場合 |  | 行き止まり道路の奥に車を回転できる広場を設けた場合、その奥行きは35mの制約は受けません。では60mでも100mであっても良いのか?ということになりますが、こうしたことは、宅地の開発では、行政の指導があってほとんど、一定の制約を受けます。その都道府県の確認が必要になってきます。
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行き止まり道路の適所に車の回転場所を設けた場合 |  | これは、基本形である35mをさらに延長する場合の一例です。35mごとに車の回転ができる場所を設けています。一番奥は円形としていますが、必ずしも円形である必要はありません。いろいろな形状のケースがあり宅地の取り方に見合ったものを選ぶことが出来ます。その形状は行政で示したものがあります。
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 行き止まり道路を実際のの分譲地にCG加工し合成したもの(ある開発業者のパンフレット) 画像はイメージです。
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