| 宅地造成でのトラブルとなる点は次の二つです。 1) 地盤の条件 2) そこに建てられる建築物の構造 宅地は都市部において利用できるものが少なくなるに連れて、水田から宅地への造成は市街地が中心から外へ拡大しています。新たに広大な開発をするのではなく、ミニ開発やマンション用地の開発で、総合的に計画されたものではない開発が多くなりました。どの業者も事業の資金のゆとりを持たず、計画も効率的な資金の回転を重視して、小規模開発ばかりが増えています。こうした場合、総合的な水の処理計画がなされているのか疑問が出ます。
水田から宅地の一般的な特徴 | @ | 土地が低い |  | A | 水が溜まりやすい | B | 湿気が高い |
水田から宅地への一般的な特徴は上の表のようになります。水田はもともと宅地として適さない為に水田として利用されてきたものですから、当然のことなのかも知れません。これは水田の一般を述べたもので、厳密には個々に地盤は違っています。
仮に地盤が軟弱であっても、適切に宅地造成が行われているなら、通常の宅地として十分な強度を持っており、何ら問題はありません。また、多少地盤が軟弱であっても、それに適応した基礎の設計が行われているなら、問題はありません。
しかし、安定した地盤を持つ台地のような宅地と比較して、水田のなどの比較的軟弱な地盤では、過去の問題事例として次のようなものがあげられます。
軟弱な宅地の一般的な特徴 | @ | 建物が傾いたり、建物の一部が沈下する | 地盤の沈下及び地盤の変形が原因。
理由: 1)地盤が柔らかい粘土層 2)植物の腐敗の有機物を多量に含む腐植土層がある。
|
A | 豪雨時に宅地に水が溜まったり、常にジメジメしている。 | 土地が低いいちにある。
理由: 1)地下水位が高いため、水はけが悪く湿気が土中にこもるのが原因。
|
B | 大地震の時、地割れや液状化する | 地震の振動により地盤が液状化。
理由: 1)地盤が沈下や変形を起こしている。地盤がゆるい砂層で、地下水面が地表面 近くにあるのが原因。
|
大規模な宅地開発では、大規模な範囲に渡って土地の掘削し、また埋め立てを行うため元の土地の形状や地目を確認することができなくなってしまいます。このため、豪雨の後の開発の土地を確認して歩くと、思わぬ造成地の不都合部分を発見することがあります。そうした部分をできるだけ避けるためにも、実際の目で確かめることが必要です。
|
|