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  (木造住宅のケース)

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 12. トイレ計画の注意点(住宅以外)

 住宅以外の用途の建物において、特定、不特定多数の人達が使用する、トイレ計画を行う時、いくつかの注意点があります。下記に、それらの主なものの幾つかを取り上げました。


 ■清掃方式と床仕上げ
 
 トイレの清掃方式には下記の二種類があります。

 「水洗い清掃(みずあらいせいそう)と「拭取り清掃(ふきとりせいそう)」です。


 「水洗い清掃」は高速道路のサービスエリア、道の駅、公園のトイレなど。不特定多数の人々が外部からトイレに直接入るようなこれらのトイレは、床がタイル貼りや石張りになっていることが多くなっています。また、大きなホームセンターなども、わざわざ土付きの土足も考慮して「水洗い清掃」を残しているケースもありあます。


 「拭取り清掃」は、 ショッピングモール、銀行、ファーストフード、スーパーマーケットや事務所ビルなどでは現在は、「拭取り清掃」が殆どとなっています。


 昭和25〜平成初期ころまでは、これらの建物でも、水洗い清掃が一般的でした。しかし、平成初期を過ぎるころから「拭き取り清掃」式に代わりはじめ、現在の主流となっています。「拭取清掃(ふきとりせいそう)」ではトイレ用のスリッパなどに履き替える必要がない利便性があります。


水洗い清掃
@

床防水を施す。(防水立上り30p以上)

A

床を水洗いに耐えうる材料を選ぶ(タイルや石など)。腰壁も同等の性能を持つ材料を選ぶ。

B

床排水を設けるが、排水溝のトラップの封水が蒸発により破れやすく臭気を発生させる。特別な時以外は水洗い清掃方式を避けることが望ましい。

床に排水目皿まで水勾配を設ける必要がある。車いすなどでは、勾配が大きいと使いづらい。





拭取り清掃
@

防水は必ずしも必要ではない。水漏れを考慮して、塗膜防水をする。立ち上がりは10p程度で十分。

A

床材は耐水・耐久性のある材料を選定する。(タイル、石、板張り、プラスチックタイル、長尺シート、塗床、ゴム系材料、FRP成形板など)

B

小便器廻りなど特に汚れる部分の仕上げは、汚れの浸み込まない清掃しやすい材料とする。(磨いた石など)

C
床排水管の代わりに、排水掃除口を設け、万が一水漏れなどで床があふれた場合には、これを開ける。位置は、人に常時踏まれるところを避ける。





 ■衛生器具廻りへの注意事項

ものを衛生器具に詰めてしまうことへの対応
@

衛生器具の近くに、汚物容れや屑籠を用意する。

A

物を詰められやすいトイレ(公衆トイレ、精神系の病院や施設など)では掃除口を排水直結ごとに設けるか、掃除口付便器を用いる。


 その他には、各種配管のバルブの部分には必ず点検口を設けます。




 ■便器配置を計画する時の注意点 1

 トイレを設計図の段階で計画する場合に見落としがちなのは、真下(ました)の階の梁の位置です。梁が便器に干渉するような計画にどうしてもなりがちです。下の図で中央はそうした梁上にいくつか便器が干渉しています。


 それをレイアウトを変えずに対策を考えるなら、『変更案1』『変更案2』などが考えられます。

変更案1では一番上の洋風大便器を和風に、中央の小梁の向きを逆方向に変えました。
変更案2では洋風便器の向きを変えることで、対応しました。


 変更案1の小梁の向きを変えることは、確認申請に出すまでであれば、問題は少ないのですが、確認通知書がでてからですと、場合によっては設計変更として確認の出し直しに至ることもあります。






 ■便器配置を計画する時の注意点 2

 木造以外の建物のトイレ計画で失敗の多いのは便器の全部が梁の上に載っているもの、あるいはいくらか梁から外れているものの大方が梁上にあるものなどです。便所自体が建物の端(はし)か隅(すみ)に計画されることが多く、この問題が生じてくるわけです。


 梁の上に便器を置けば、汚水管は梁の上だったり、梁の側面をギリギリになったりするわけです。どちらも、構造上の重要な部分ですので貫通したり斫(はつ)り取ったりは出来ません。給水のような配管も許されません。


 設計図を描く時には、全く気にもかけないで描いてしまうことが多く、結局便所が思うようなレアウトに納まらず、変更を余儀なくされるよなことがしばしばです。作図時は梁の位置や梁幅に十分に注意が必要です。


 どうしても計画の位置でということであれば。15p程度上げ床にして、そこまでスロープを設けるなどの工夫は出来るでしょう。しかし、現在ではバリアフリーの仕様であることが絶対的ですので、緩やかなスロープが必要になってきます。その余裕がなければトイレのレイアウトの変更も必要になるでしょう。

 上の図は梁の上にくる和洋風便器を描いたものです。左側の梁際(ぎわ)に出る配管は何とかなりそうにも見えますが、これほど梁に近いと工事は十分なものとはなりません。

 そのほかは、梁自体に便器や配管が出っ張っており、施工不可です。特に和風便器の計画には注意が必要です。ただし、洋風便器を設ける場合は排水が床上で横引きのタイプもありますので、少し目障りではありますが、一考に値します。




 ■トイレの界壁の注意点

 トイレとそのほかの部屋との界壁は天井までで終わらせずに、上階のスラブ下や梁下まで達するようにします。これは、次のような苦情が寄せられることがあるからです。


@ トイレでの話し声が隣のトイレやそのほかの部屋に伝わってくる。
A トイレのドアの開け閉めの音や水栓による汚物の流す音がする。
B ペーパーホルダーからトイレットペーパーを取り出す音がする。


いずれも音に関する苦情です。


 これはトイレの音が天井に抜けて、あるいは反響して隣室に伝わるためです。従って対策としては下の図のように天井で間仕切り壁を終わらせずに梁下やスラブ下まで達するようにします。住宅以外の間仕切りは、LGS(軽鉄下地)の間仕切りを使用することが最近では多く注意が必要です。


対策としては、

@LGS壁内に吸音材(グラスウール)などを挟み込む。
AALC板の界壁とし、スラブ又は梁下まで伸ばす。
Bコンクリートブロック造の界壁とし、スラブ下又は梁下まで積む。


などがあります。どちらも、ブロック壁、LGS壁により荷重が増えますので、計画の段階で盛り込むようにします。






 ■トイレの入り口戸について



 多数の人が利用するスーパーマーケットや量販店のトイレは、その売り場の規模に比べて案外狭いと感ずることが多いようです。

 その場合の手洗い場は、左の図のような手洗い場の戸を開けるとすぐに手洗い器があり、人が立っていいることがあります。

 勢いよく開けるとその人に当たって、問題となることもあります。また、ここで手を洗っている人もいつ戸が開くか。気が気ではありません。

 そのような場合は戸は廊下側へと左の図の点線のように外開きとすることもやむをえません。




 ■トイレの照明器具について

 トイレの天井に付く照明は、トイレという一つの室全体として、中央あたりに付ける計画になってしまいがちです。しかし、この場合は下の図@のようにブースと手洗い前の壁の中間位置となり、トイレブース内に十分な明るさが行き渡らなくなりがちです。


 従ってAの方へ照明器具を移動させる工夫が必要です。手洗い器の前には鏡があり、また上部には照明器具もありますので、天井の照明器具がトイレブース寄りに移動しても、問題にはなりません。手洗い器が小便器に変わったとしても、所用に問題はありません。


 手洗い器が小便器になったとしても、室内の仕上や小便器の色が暗い色でなければ問題となりません。









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