| 廻り縁は天井の仕上や壁の仕上げはもとより、床などを含めたその室の仕上げにマッチしたものでなければなりません。
しかし、幅木が床材と同材料、同色や近似色などと、床材に影響されやすいのに比べて廻り縁は天井と壁とがまったく仕上げ材が違う和風の天井の場合を除いて、それほど壁や天井の材料や色合いに影響されません。というより、壁と天井の色に同化させる色合いを使用することが多く、まったく違った色合いの物を使用することが少ないようです。その理由は色合いの違うものを使うと、引き締まって見えるのですが、今度は部屋が小さく見えたり、窮屈に思えたりしまするからです。
最近の戸建て住宅やマンションなどの和室以外の部屋では、天井もクロス貼りとするところが多く、こうしたケースでは廻り縁を前ページでも書いた通り、廻り縁を省略してしまう事が多くなりました。クロスは同士ではその納め方も難しくないため、取り合部をコーキングで処理します。必要な廻り縁を省くのですから、際の納まりは綺麗にいきません。
下記に廻り縁として使用される材質について取り上げてみました。主要な材料は3種類程度です。江戸時代の風流な茶室などでは細い竹を日本並べたようなものもあり、とても洒落たものもありますが特殊な例です。
材 質 | 特徴・形状 | イメージ画像 | 木 | 和風の天井(例えば竿縁天井、網代天井など)では、廻り縁に塗装はせず仕上げは専ら木地を生かした化粧仕上げ(生地のままを生かした仕上げ)です。
洋室(主に住宅)にあっては、プリント合板、幅木と同様ラッピングといって、木目調の塩ビのシートなどを貼って覆い使用することが多くなりました。
塗装の斑(むら)や手間、見栄え色調や模様など、どれをとってもこのラッピングはすぐれています。これらは、既成品として建材メーカーより品数多く出ており選考するのにまようほどです。もちろん手造りの廻り縁も使用しない訳ではありませんが、最近は手間を考慮して洋室では既成品を使用する事が多くなりました。 |
栂(つが)製 | 塩化樹脂 (塩ビ) | スーパーマーケット、百貨店、事務所ビルなどもっとも広範に使用されており、安価で多様な形状が市販品として用意されています。色も白が圧倒的に多く使用されています。これは壁や天井がと同様、内部の仕上げが売り場や事務に大きな影響を与ええることを目的としていないからでしょう。
形状で使用されることが多いのは、「コ」の字型、「十手(じって)」型です。他のバリエーションもこの二つの変形と考えて差し支えありません。
また、硬質塩化樹脂塩ビで木製品に見せかけた商品も多様に用意れています。加工が容易で不燃性もあり環境負荷もないため、木製品に替わって主流となっています。 |
一見だけでは木製 と変わりません | 金 属 | 金属では、ステンレスを使用することもありますが、大半は加工性のよいアルミの押出し成形をした既成品で、多くの建材メーカーで販売されています。形状は塩ビ製に準じたものが殆どですが、種類では塩ビ製にほどではありません。塩ビ製に比べて高級感があります。価格も塩ビ製より高くなります。
大規模な建築現場では、金物の業者が特別に製作したり、既成の商品に曲げ加工を加えたりして取り付けます。 |
ステンレス製
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画像出典:木 征矢野建材 塩ビ 積水樹脂 金属 宝生よりました。 上記のホームページは「5.廻り縁メーカーと取り扱い業者の紹介」にあります。
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