| 雑、汚水の排水は何かの動力やポンプを利用して行っているわけではありません。地球の引力の法則にしたがって排水しているだけなのです。つまり、排水は高いところから低いところに流れる原理を利用しているだけです。ただ、幾つもの階層(例えば2階、3階4階・・・)に渡って雑、汚水の排水をする流しや便所などがある場合、それを単に縦に通している縦管に連結するだけでは、排水がスムーズに流れないのです。
例えば、地下鉄の乗り場にいたる階段ですごい風に出会う事がありせんか。 最近の地下鉄では殆どなくなりましたが、昔の地下鉄や私鉄の駅では地下から階段で出る時や、下る時に強風が階段内に吹くことがあります。これは、電車が入って来る時に押し遣った空気が、地下鉄駅構内で行き場がなくなり、階段を伝って屋外に逃げようとする時に生じるものです。反対に、電車が構内から出て行くときには、電車が体積分の空気が足り名なる為、階段を伝って外気が吸い込まれる時にも吹くわけです。ですから、階段に吹く風は、電車が出て行く時と、入ってきた時とでは逆になります。
つまり、このたとえは、地下鉄のトンネルが汚水管で、汚物が電車です。階段は、他の使用していない便器にいたる配管です。汚物が配水管から下に流れ出ようとすると管の中が負圧になる為他の便器から、空気を補充しなければなくなります。
しかし、地下鉄なら階段出口が開放されていますからここから空気は補充されますが、他の便器にはトラップの封水(ふうすい)といって臭いが管から出てこないよう水を管に少し残しています。単に真直ぐな管では残せませんから、U字型を管が有ってそこに便器は繋がっています。
便器を覗き込むと、水が少し残っていますね。これがそうです。この水が、管から臭いが上がってくるのを防いで入る訳です。ですから汚物が通過する時に生じる管内の負圧になる為に補充する空気はほかの便器から取る事は出来ません。汚物が通過するときの力が大きければ、封水をなくしてしまうかもしれません。(封水が破れる)こういう時のために、別に通気管という管を設けるのです。
これを設けると汚水が落ちる時に押しのける加圧された空気を外に逃し、負圧になった空気を補充して、スムーズに排水がされる事になるのです。これが通気管の役目です。通気管の役目は非常に重要です。
| 木造住宅の壁内に設けた通気菅 |
写真出典:ドクター住まい
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