| ポンプ車が到着。続いて、左官、大工、土工らも到着。彼らも空模様は気にしてい る。主任から「打設」決行の指示を受けて、準備も順調に進めていく。大工は、 コンクリートの型枠を造った人たちで、コンクリート打設中に型枠が、崩れたり、コン クリートの重さで型枠が下がらないか、チェックをする重要な仕事だ。本日に来た左 官は、いわゆる土間屋さんと呼ばれている。普通の左官の仕事と少し、違って、コン クリートを打った後の均しと、押さえを行う。
仕事は日中から、深夜に及ぶ事もある。大変な重労働なので、途中で人が交代 する事もある。問題は、打設したコンクリートの高さが、一定に出来るかは腕の見せ 所だが、なかなかこれが難しい。明確な目星となるものがないからだ。とろどころに レベル棒と呼ばれる棒を立てて確認しているが、それでも誤差はかなり出る。
土工は、コンクリートが満遍なく方枠の隅々に行き渡るように、バイブレーターを かけたり、型枠と叩いたりする役割だ。
殆ど同じ時間に現場係員のH氏や、J氏もやってきた。工事主任の下で、彼を補助 する仕事だ。着替えて、職人たちの名簿を確認している。
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当現場の最高責任者のM工事長がやってきた。工事主任Tに「今日は打つの か?」と聞いている。「打ちます。」とT主任はきっぱり。「良し。」それ以上は言わな い。工事のことは、工事主任に任せるように出来るだけしている。人材を育成す るのも長としての努めだからだ。「打つのか」とは、曇り空だがコンクリートの打設を するのかと聞いているのである。 今日は、朝礼の後すぐに打設開始になるので、新しく現場に来た職人達の、 受け入れ名簿を作成する。割と細かいところまで記入させられるが、作業中の事故 などで、身元も連絡先も解らないのは、問題だからだ。現場は、一つの会社なので ある。工事長は社長、新規に入って、今日限りの仕事の手伝いでも、今日1日は従 業員のようなものなのだ。以前から来ている人は、既に書類が出ているので問題な いが、新たな人は色んな書類が必要になってくる。こうした、こまごまとした仕事がな かなか面倒で、時間をとられる仕事なのだ。この仕事は、工事主任も行うが係員の 重要な朝の最初の仕事だ。
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朝礼が始まった。総勢25人が、ラジオ体操の音楽に合わせて、体操をする。 真夏のような暑い時にははしない事もある。体操のあと、工事主任が、朝礼台に立 って、業者ごとに、人数の点呼を行い、本日の仕事の段取り、注意事項。道路への 出入りや、車の走行速度などのマナーなど大きな白板の図を示しながら説明する。 其の後、安全帯や保安帽の点呼、其の後 「今日も1日頑張ろう!」 で、解散。其の後、業者ごとに、仕事の段取りや安全点検などを行い。工事は始ま る。
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