| 家相の方位は下の図のようなものです。
北を求めるのは、市販されている方位磁石コンパスでの磁北で構いません。下の図の「中央」とは建物の中央のことで、その中央の取り方については前ページ「家相のタブーとはの中の「建物の中央(中心)の求め方」を参照してください。
上の図でも解るように、鬼門には表鬼門(北東)と裏鬼門(南西)があります。北東と南西は鬼が出入りする方角で、忌むべき方角とされ、鬼門・裏鬼門は「陰」と「陽」の切り替わる地点に当たり、気が乱れやすい方位とされ、「悪気や邪気」が溜まりやすくなると言われています。
この二つ以外にも、北側にリビングルームを持ってくることはダメだとかがあります。確かにリビングルームのような家のくつろぎの場所が北側にあるよりは、南側の方が良いことはあるでしょう。しかし。南側が隣家であったとしたら、思うほど良いとは思えません。しかし、日本人にとって、鬼門という言葉を完全に無視するには広く知られ過ぎています。
したがって、この二つの鬼門だけは、取り上げることとしました。
表鬼門は中国の史実から由来しており、紀元前200年頃秦漢時代に北東位置にあった匈奴という民族が度々、秦漢に攻め入って略奪を繰り返していました。そのことから、この方角を鬼門と言うようになったとされています。秦の始皇帝が万里の長城を築いたのは、まさにそのためだったのですから、匈奴の来襲は余程深刻な問題だったのでしょう。そのため、北東に玄関を作ると、一番に攻め入られるので作るな、と言う言い伝えによるものです。
表鬼門に設けることが凶とされ間取り (間取りの位置変更でなくとも解決できる) | トイレ | 家相 | 年中を通して日当たりも悪く、特に冬には、北風を受ける位置でもあり、換気の為の窓を開けるのも体に悪い。(大凶) | 解決策 | 最近の家では、気密性が高く東北方角にあっても、他の方角と特段の差はありません。しかし、トイレは寒い夜に入るには、確かに嫌なものです。室内によるだけ暖房をしてもよく、壁に埋め込むタイプもあります。 | 浴室 | 家相 | 北や北東は「寒気や湿気」が強い方位です。「昔の家づくり」から見れば、浴室には適さない場所であるのは確かと言えます。(凶) | 解決策 | 脱衣室と浴室は、他の部屋とは離れていたり、建具などで仕切られているため冬の暖房がありません。冬場は、脱衣室に電気の暖房器具を置き、風呂場は温風の出るユニットバスにしたり、することでかなり改善できます。また、高齢者が一番風呂に入るのは避けることも必要です。 |
裏鬼門は風や雨の襲来の由来する方角です。毎年日本にやってくる台風は、九州の方角から北東へと来るのが順路となっています。中国でもモンスーンの影響を受けて、農作物に被害が出たりする事と、日本の台風とが重なり合うところはあります。
昔は、台所の熱源は薪(まき)によるものであったことから、夏には南から吹く風により火事も多かったとされ、こちらに台所を持ってくることが忌み嫌われたもののようです。
裏鬼門に設けることが凶とされ間取り (間取りの位置変更でなくとも解決できる) | 台所 | 家 相 | 冷蔵庫のない時代、西日が当たる台所は、夏は気温が高くなり、食べ物が腐りやすく、食中毒が多々発生しました。このため凶とされます。 | 解 決 策 | 現在でも西に台所は、夏場にあっては好ましくないことは確かですが、冷蔵庫もあり、部屋にはクーラーもありますから、恐れるには足りません。 | 浴室 | 家相 | 南西の方向に風呂を作ることは大凶だといいます。これは、夏には南から吹く風により火事も多かったとされ、こちらに台所を持ってくることが忌み嫌われたのと同様の意味があります。 | 解決策 | 現在は、薪で風呂を沸かす人がいないとはいい切れませんが、その人の方が特殊であって、今は灯油ボイラーによるか、ガス給湯設備によっており、少々の風が吹いても消えませんし、あまりに直接風があたるようでしたら簡単な風よけを設ければ済むことであります。 |
よく考えれば、日本列島そのものが「表鬼門」と「裏鬼門」の方向に横たわっている事も、因縁として考えられるでしょう。
毎年やってくる台風の威力は、鬼門の方向に日本列島が横たわっていることから、庶民の間で少しでも難を逃れたい思いがあったことは、中国の匈奴の来襲の悩みと重なるところがあったのでしょう。
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