| ローコストを実現するには、確かにあるレベルまで、建設会社やその下請けの業種の人たちの協力なしには実現しません。仕事が少ないからといって、これだけしか予算がないといわれた建築主の提示金額に合わせて仕事を取った建設会社が会社の利益を守る為に下請け業者を更に値切っていじめるようなことは、ローコストでも何でもありません。
請け負った建築会社や工務店が、ローコストの実現のために、工法の改良や手間数の減らし、使用材料の新しい使い方の工夫など、今まで当り前に行われてきた工事全般を見直し、互いに協力して行く物でなければならないのです。それは、例えばトヨタ自動車の「カイゼン」が良い見本でしょう。トヨタ自動社の「カイゼン」を下請けに要請するとき、トヨタから担当社員が下請け業者の工場にやってきて、いっしょにコストの「カイゼン」を考えるといいます。トヨタといえども、下請けがあって初めてその地位があることを、良く認識しているのです。これでこそトヨタが一番でいられる所以です。
それなのに、建築界はこのような努力をしているでしょうか。下請けと共にどうすればカイゼンが可能か共に汗を流してやったことがあるでしょうか。 大手、ゼネコンでさえカイゼン提案を提出せよの命令ばかりではないでしょうか。
そして、ローコストには仕事の少ないのを盾に、見積もりを叩き合わせる。 下請け業者も仕事がないから、ぎりぎりのところで受ける。少しでも、手直しが出たら、もう赤字というところでやっている。ゼネコンもとった仕事が、最初から赤字というのだから、業者が利益を出せる訳がなとでもいいたそうです。
このように、ローコストとは技術や、発想の転換、無駄の削減などで、なされなければなりません。業者の支払いをトコトン薄くする事ではありません。支払いを叩きに叩かれた業者がどうして良い仕事をしてくれるはずがあるでしょう。
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