| 人はもともと、他の動物と同じように野天で用を足していました。 水が冷たくなければ、川や海に入って、大便をしていた様です。 水が冷たい季節や地域では、川屋(かわや)と呼ばれる小屋を川の上に設けて用を足していました。
厠(かわや)は、多くある便所の別名の中でも古く、奈良時代から見られます。 712年『古事記』には、水の流れる溝の上に厠が設けられていたことが示されており、川の上に掛け渡した屋の意味から、つまり「川屋(かわや)」を語源とする説が有力とされています。また、現代では住居の中に便所を作るのが一般的ですが、少し前までは母屋のそばに設けるのが一般的でしたので、厠の語源を「側屋(かわや)」とする説もあります。
便所と川や海との関係は深く、BC 1800年頃、クレタ島のクノッソス宮殿に、完全な給排水装置と陶製便器を備えた水洗便所が設備されていました。
また、BC 600年代に、中国で、周の宮中に、汚物を処理する汚水溝がつくられ、水を流して処理していました。 進んでいたのですね。 あるいは、1072年、イギリス海岸のティンタン修道院では、潮の干満を利用した水洗便所をつくっていました。便所の下に、海水を導入し、満潮のとき、閉めてしました。干潮になったとき、あけると、海水が汚物を、いっしょに洗い出す仕組みでした。
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