| 施工図とは何でしょうか。施工図は現場で工事をするために書かれた図面をいいます。原寸図とか躯体図、仕上の詳細図など多岐多様に渡ります。設計図があるのに何故新たに、施工図などという図面が必要なのか疑問に思われるでしょう。それはすごく当然な疑問です。本来、設計図があって、それを見れば工事が出来るのが一番良いことです。そうでなければなりません。
しかしながら、設計図を見せて、このとおりに工事をしてくれといわれても誰も請け負ってくれません。つまり、日本にある99パーセントの設計図はそれをみて工事を進められるような図面ではないということができます。設計図は設計者の「こんな建物が建てたい、という具体的な提案書であり、その企画書です。それをもって工事をするには、無理があります。 では、設計図には施工の為の何が欠けているのでしょうか。
それは「情報」です。実際に工事をする為には、具体的な情報が無ければなりません。それらの「情報」は工法や収め方、寸法など事細かなもので、設計図にそれだけの「情報」を盛り込むことは不可能です。それだけの「情報」を盛るだけの建築知識、工事上のノウハウ、金額設定の為の積算力どれをとっても建築物の設計者は殆ど対応できていません。
つまり施工図は設計図の不十分なところを補い、検討し、実際の工事が出来る様に設計図を書き改めた図面ということが出来ます。
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