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何処かのゼネコンに入りこんで仕事が出来ると良いのですが、大抵の人はそんなコネを持ち合わせていませんし、始めたばかりなら尚更、入り込める余地はありません。そこで、施工図の会社に勤めて、この会社から派遣の状態で、ゼネコンの現場に出て、そこで施工図を書くことになります。勿論、会社が現場で打ち合わせてきた、持ち帰りの仕事もあります。施工図ばかりではなく、設計の手伝いの外注の仕事もあります。いずれにしても、施工図の会社の社員としての施工図書きなので、当然、サラリーマンです。サラリーマンであるので、給料は決まっていますし、会社がゼネコンに請求する金額の精々1/3位の給料と言うことになります。
工事現場の事務所に出ると、当然現場の人たちと一緒に仕事をするわけですし、書いた図面もそれが其の通りに、工事されるわけですから、誤りがあれば当然、現場も間違ってしまうわけです。それは、又、当然に現場に損を与えるわけですから、気を使う精神的にとてもシンドイ仕事となります。間違っていれば、弁償しろとは誰も言いませんし、安い給料ですから、そんなことを要求されたら、誰も現場に来て図面を書いてくれる人はいなくなります。
まあ、そういういわゆる「チョンボ」をすると、何故そういうことになったのかの追求はされ、多少の非難も受けます。しかし、それ以上は、何もありません。ただ、気まずい思いと、いづらい気になり、しばらくは憂鬱です。そんな訳ですから、現場に出たがる人は、少ないと思われます。しかし、色んな手当てなど内勤と給料面でよいので、今はむしろ現場志向人の方が多くなっているかもしれません。ある大手の施工図の会社では、派遣の現場数が少なく、順番待ちのように言っていました。現在では、CADが出来るようにしておく必要があります。最低限のスキルです。
建築社会自体が不況の中にあって、施工図の会社だけが、すごく儲かっているなどと言う事はあり得ません。建築社会全体が、少ししかない仕事の取り合いをしているのです。大きなゼネコンでも、昔なら、一億以下の仕事など出さなかったものです。それが、今では目の色変えて取りに来る状態です。そこまでしているのです。 中堅の建築会社は、今後とも益々苦境ににたち、倒産が続くものとかんがえられます。
そんな、訳ですから、普通のサラリーマンの給料よりは少し落ちます。しかし、サラリーマンはあくまでサラリーマンです。仕事がないからといって、仕事を探す事もありません。それは会社の仕事です。この点は、気が楽です。
私の知っている施工図書きの人は、このサラリーマンですが、給料は、30万円で全てだそうです。仕事は、現場に出てがんがん出来る人です。40才前の男性です。サラリーマンである以上、施工図を書く人は、一般平均給与より好いわけでも、悪いわけでもありません。
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