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手すり
1.
手すりを設ける法的
根拠とは
2.
一般の手すり
(階段以外)
3.
階段の手すりの高さ
の考え方
4.
手すり子とは
5.
手すりの安全対策
5. 手すりの安全対策
手すりの安全対策といえば、その取り付けや手すりそのものの強度、つまりどれ
だけ安全な作りで、どれだけしっかりと取り付けられていているかという構造上の考
慮がまずあります。
寄りかかったり、引いたりすることにも、壊れたり曲がってしまったりすることのな
い、安全な構造で取り付けられていることが、まず考えられることです。
その次には、、手すりの高さや、手すり子と呼ばれる人や物の落下を防ぐ小さめ
の桟の考慮が必要です。そこで、このページでは、手すりの安全対策で主に、考慮
すべき対策を考えてみました。
■ 手すりに足がかりとなるものがあるもの
下の図1と図2は、金属製の手すりの想定ケースです。
こうした場合、親支柱
(前ページの手すり子とはの図1参照)
との間に横桟(ざん)
を入れてそれらを支えることになります。
この横桟が、機能的には「手すり子受け(手すり子受け材ともいう)」です。が、こ
れをいわゆる手すりの「足がかり」と法的には呼ぶことがあります。人が、ここに足
をかけて手すりから体を乗り出すことがあるからです。
その結果、墜落災害の発生の原因となっています。従って、手すりの高さもその
位置からの1.1mという高さということになります。従来は、そのような高さの算定
方法ではなく、立ち位置の床面からでした。安全のためには致し方ないですね。
図1
手すりは本来、立った時に胸の辺りあっ
て、外部を見渡せるものですがこれに従
うと小柄な人では目線あたりに来ることも
あります。
図1
及び
図2
は手すり子が縦になって
いますが、横になったものは、マンション
などの共同住宅の最近の建物ではほと
んど見かけないのは、こうした事情を予
防的に反映したものです。
建築物は、一度建ててしまうと、おいそ
れとは変更出来ませんし、長く使うもので
すから当然ともいえます。
手すり子の間隔も広すぎると幼児の転
落のもととなるため、手すり子の間隔
(
図2
)は10センチメートル以下となるよ
うにしなければなりません。出来れば7
から8センチメートルが適切でしょう。
また
図1
のように足がかりの下の隙間
も同様の理由で8センチメートル程度に
したいものです。子供の行動は大人では
想像も出来ないものがあります。隙間は
十分に注意が必要です。
図2
これらは、幼児が利用する事がない様な工場や事務所では考慮の必要はありませ
ん。
■ 手すりに足がかりとなるものがないもの
もちろん、
図3
のように、足がかりとなるものがないコンクリートだけの手すりで
は、その立ち位置の床面から1.1メートルのままで問題ありません。しかし、マンシ
ョンなどの共同住宅では、ベランダの手摺が総てコンクリート製というようなことはま
ずありません。通風が悪いばかりか、外部が見えず閉塞感があるからです。
従って掃き出し窓の部分だけを金属製の手すりにすることはごく一般的です。この
ような場合は、その金属製の部分を手すり基準に、高さとして算定することになりま
す。そうなると、外観上どうしてもその金属製部分の高さに揃えることになり、コンク
リートの手すりも全体として非常に高いものとなってしまいます。
このため、最近建てられた、マンションなどの共同住宅では、コンクリート製のベラ
ンダ手すりをほとんど見かけなくなりました。
図3
手すりが例えば左図(
図3
)のように、ベラン
ダすべてに面してコンクリートで出来ているよう
な場合は、この高さを乗り越える以外には転落
はないのですから、建築基準法の定める1.1メ
ートルあれば問題はありません
しかし、コンクリート手すりの頂部に、ジュー
ス缶や物、植木などを置くことがあります。
こうしたものを置くことはとても危険です。そう
した物が置けないような、あるいは置いても内
側に落ちる角度の勾配を取ることも集合住宅
や不特定多数の人が出入りする、スーパーマ
ーケットや複合施設などのような建物では配慮
が必要です。
図4
のように手すりの上に更に丸
パイプなどを設けることも、物を置
いたりする危険を回避する有効な
手段の一つです。
また、上部に金属製などのパイプ
手すりを設けるとコンクリートの手
すりでの圧迫感が多少でも緩和さ
れたり、通風がや改善されます。
図4
図5
図3
や
図4
のようなコンクリートだけの手すりも、墜落事故の原因となる足がかり
がなく、プライバシーも守られるため、最近のマンションでは数多くみかけます。しか
し、通風だけでなく採光についても十分なものではありません(法的に不足している
という意味ではありません)。
図5
のような全面半透明のポリカーボネートとするには理由があります。部屋へ
の通風を考慮しなくても、エアコンの普及により十分に快適に過ごせるからです。
図5の出典:株式会社LIXILのホームページから行いました。
図と本文とは関係ありません。
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