| 突板は、次の二種類の方法で取り出します。簡単に前ページでも述べましたが、合板に用いる単板は下の表の@の方法のみです。
突板の取り出し方 | @ | 材をロータリーレースと呼ばれる機械で回転させて辺材からロール状にスライスさせて取り出し方法です。 | A | 年輪に対して垂直および平行になるようにスライサーと呼ばれる機械で材をスライスして取り出し方法です。この取り出し方は、合板に使う単板では滅多に行いません。 |
次に上の@Aによって取り出した時の板の木目の模様により、次のような種類があります。
A. 杢目(もくめ) | 大根のカツラ剥きのように、材をロータリーレースと呼ばれる機械回転させて辺材からロール状にスライスさせて取り出した木目の模様です。(下の図1)杢目は年輪が不規則で複雑な形になります。
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上の表の@及び下の図1のようにロータリーレースのようにして取出さない一般的な方法は、年輪に対して垂直および平行に、丸太から製材するようにして取り出す方法です(下の図2)。
杢目が大根のカツラ剥きのように取り出すのに対して、鉋(かんな)がけをしたときに出る薄く長いおがくずのような状態を想像させる取り出し方です。
これには板目(いため)と柾目(まさめ)があります。
B. 板目(いため) | 年輪に対して垂直になるように取り出し方法です。(図2の上側の「年輪に対して垂直と記入のある部分)
板は年輪が広く横切ることになり、木の成長具合などにより、木目が変化するので、表情豊かな木目になります。
木目の表情を生かす板取りは、こちらのほうが適しています。柾目より安価です。一般的な板での板目であれば、反りがでてしまいますが、薄い突き板であれば、接着剤で貼り付けて使用しますので問題となりません。
| C. 柾目(まさめ) | 年輪に対して水平となるような取り出し方法です。(下の図2の下側の「年輪に対して平行とある部分)
比較的木目がそろっているので、落ち着いた木目になります。価格は板目より高価ですが、板目より通気性がいいとか、今回のツキ板ではあまり関係ありませんが、ある程度の厚みで裁断した場合、反りが少ないのが柾目の最大のメリットです。
図では、半径目一杯を板取りするようになっていますが、これはわかりやすく説明しただけで、実際は木の中心や外側は板取りしないので、たくさん取れないため価格は高くなります。
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| | 図 1
回転してロール状にスライスします。 杢目となります。
| 図 2
板状にスライスします。垂直は柾目 平行は板目となります
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図1の出典:和家具 匠の郷(突板の取り出し方の説明用の小型の機械)
杢目、板目そして柾目の取り出した形状は下記のような、同じ種類の木でもまるで違った表情となります。
YOU TUBE(ユーチューブ)に「突板の出来るまで」の動画がアップロードされています。よろしければ、参考にしてください。全国天然木化粧合単板工業協同組合連合会の動画です。↓↓ https://www.youtube.com/watch?v=FauVWaYd0ag
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