| 参考書に関して、私の今の仕事柄(施工図を作成する仕事)、その方面の仕事の方々に役に立つものを、私がバイブルのように大切にしてきたものを、掲載します。この方面の仕事を目指す方をきっと助けてくれるものと思います。これらは、もちろん、設計の仕事に携わっておられる方々にも、参考になるものです。
施工図の仕事をしていますと、「こんな設計なんかで、現場が納まるものか!」と叫びだしたくなる設計図がよくあります。と、言うより、殆ど総ての設計図が、そうです。これは、超大手の設計事務所でも変わりません。また、建物を実際に建てている、スーパーゼネコンの設計部門の設計図でも同じ事です。
設計をする人、施工をする人との間に、技術の交流がないからです。彼らは互いに、自分の持ち分野でしか、仕事をしません。それは致し方ない、ともいえます。日々の仕事でさえ、設計の仕事は他の事務職に比べて極めて多忙です。 施主の要望を聴取し、法的な検討や機能、コストを検討して再び施主に見せる。同時に設計図の作成自体も進めねばなりません。構造計算や構造図、電気、給排水の図面をすすめるには、基本となる設計図がなければ始まりません。設計の仕事も施工図の仕事もその分野は限りなく広く、それに携わる両者が、相手の仕事を思いやることなど出来ないのが、現状です。
設計には設計の施工には施工の互いにわからない複雑な仕事があるからです。それらに踏み込むには、時間も知識も十分に持っていません。
施工図を描いているものは、いわばその両者の架け橋のような仕事です。設計者の意図を大切にしながら、しかし、建設コストや納まりを考えながら、施工者の意図も汲む必要があります。そのため、施工図を作成する仕事は複雑で難しい技術だけでなく、人間関係にも気を配る必要があります。
これから挙げる、いくつかの施工図作成のための本は、きっと、技術の面だけでなく、コストの面でも方向性を教えてくれるものとおもいます。そして、人間関係については、その身で現場に出て会得するしかありません。
設計の仕事をしている人は、得てして現場に出たがりません。給料は現場の方がずっと良いとわかっていてもです。それは、建築現場を怖いところだと思っているからでしょう。それを、私は否定しません。
まるで、ヤクザのような気性の荒い職人を相手にしている、現場監督員の気性も自ずと荒々しくなりがちです。また、職人はその道のプロですから、現場監督員のような全方位にそれなりに知っているだけでは、職人の知識に太刀打ちできません。そんな人達を、なだめたりすかしたりしながらいる彼らにも、いわゆるストレスがかかっていて自然と気性も荒くなるというものです。
しかも、朝は早く夜は10時ころまで働いているのを知ると、設計で給料が少々安くてもいいや、ということにもなります。しかし、現場は知っておきたいものですが、設計をしていてそこから、現場に出て行くとなるとそれはそれで相当な覚悟と、知識がないと始められないのも事実です。
まあ、そういうチャンスを活かすことが出来るように現在設計の仕事をしている人には期待しておきます。
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