| 押出成形セメント板(Extruded cement panel、略称ECP)はセメント、ケイ酸質原料を用いて中空(板の中空洞部分を有している)を有する板状に押出し成形を行い、オートクレープ養生(高温・高圧の蒸気がま(オートクレーブ)の中で,常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行う蒸気養生)したパネルです。材料に人に有害な石綿の使用はありません。
日本においては、押出成形セメント板の生産は1970年に現在の株式会社ノザワが初めて「アスロック」の名で生産、販売を始めました。したがって「アスロック」は株式会社ノザワの登録商品名です。
約30年の歴史を持っています。現在はノザワをはじめもう一つの代表的メーカの昭和電工(株)が「ラムダ」の名で生産を行っています。しかし、ALCメーカーがほとんど同様の形状のものを生産しているのに比べて、この両者の押出成形セメント板の形状や厚さは全く違ったものとなっています。
ノザワのアスロックはどちらかというと低中層のビルや商店建築の外壁材として使われ、その取付工法もALCのそれに非常によく似ています。一方、昭和電工のラムダはどちらかというと住宅のサイディングとしての使われ方や、ビルなどのコンクリートの躯体の内側に設ける内壁のような部分に多く使用されています。
どちらが優れていると言う訳ではなく、うまくすみ分けているといっていいと思われます。今回特集として取り上げたは、ノザワのアスロックとしました。ラムダと同じ土俵で語るには相違点が大きすぎるため、ラムダについては、次の機会としてしたいと思います。
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