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 2. 面取りの種類(1)

 面取りの方法は幾種類もあります。こうでなければならないということは、本来は必ずしもありませんが、伝統的には、例えば石の角面は糸面と呼ばれる面づら(面の幅)が2-3mmの小さい面取りを行ったり、平面部分の一部を几帳面と呼ばれる一段落ち込んだ面を取ったりします。また、木造建築の場合は、面のとり方にも細かな決め事を設けています。その寸法に関しては、用いる箇所にふさわしいものとするべきです。
 面取りの形状は実にその数が多いので、ここに代表的な面取りを紹介します。この中で私たちにおなじみの言葉があります。「几帳面(きちょうめん)」です。これは、物事をきちんと処理するような人をさします。

 ことばバンクによりますと『室内で貴人のそばに立て、間仕切りや風よけに用いられた家具「几帳(きちょう)」に由来する。几帳の柱の表面を削り角を丸くし、両側に刻み目を入れたものを「几帳面(きちょうめん)」といった。細部まで丁寧に仕上げてあることから、江戸時代以降、きちんとしたさまを表すようになった』とあります。几帳面にはいろいろな種類があり、その内の6種類を載せました。

丸面(まるめん)

角の部分に丸みをつけたものです。丸面の基本形です。「円面」と書いて、まるめんと呼ぶこともあります。


甲丸面(こうまるめん)

角に丸面を任意の大きさで丸めた面のとり方です。丸面の一種です。
「坊主面(ぼうずめん)ともいいます。


蒲鉾面(かまぼこめん)

角の中央を穏やかな曲面にしたものです。蛇腹面(じゃばらめん)とも言います。丸面の一種です。




しゃくり面(しゃくりめん)

主として、鏡板、甲板、引き出しの前板などの四辺を一段低く削り取ったものです。漢字では「決る」「抉る」とか書きます。



几帳面(きちょうめん)1

角柱の角につけた面の一。角そのものは残すように、両側に段をつけたもの。もともとは几帳の柱によく用いられたところからこう呼ばれるようになりました。




几帳面(きちょうめん)2

几帳面の取り方にも色々とありますが、その例2です。
細部まで丁寧にきちんと仕上げることから、人の性格をこれに喩えて「几帳面な性格」などと呼ぶようになりました。



几帳面(きちょうめん)3

几帳面の取り方にも色々とありますが、その例3です。


几帳面(きちょうめん)4

几帳面の取り方にも色々とありますが、その例4です。


南京面(なんきんめん)

几帳面で出来た角に面を取るものです。



片几帳面(かたきちょうめん)

字が示す通り片方にのみ几帳面を設けたものです。



底几帳面(そこきちょうめん)

几帳面の角を底部分まで平らにしものをいいます。


匙面(さじめん)

角を匙の形状に丸くえぐって作ったものを言います。



















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