| いつも、あと十数年残っているローンの返済予定表を見て、溜息をつくばかりの私でした。その先の長さに嫌気がさして、しばらくの間この返済予定表を見ないまま何ヶ月が過ぎていました。しかし、妻が生活費が苦しくなったと訴える様になり、その原因を探ってみました。すると、その原因に自宅の住宅ローンの月々の返済額の増加しているではありませんか。勿論、生活費が苦しくなったのには、それが原因ばかりではありません。収入の減少にも拘わらず、変わることのない必要な支払額なども大きな原因の一つでした。
しかし、自宅の住宅ローンに関しては、返済額が実際に増加してきていました。 理由は簡単です。変動金利を選択した私の自宅のローンは、長期金利の上昇で金利の上昇分が月々の返済額に上乗せされていたのでした。私のローンはローンを組む歳が遅かった(45歳)ので、最長のものを選んでおり、それ以上は伸ばせないので、月々の支払額が金利上昇局面では増えるのもいたし方なかったのです。
当然とはいうものの、銀行からは電話での何の知らせもなく、書面ではあったものの気付かなかったったため、上乗せ金利のローンの返済を3ヶ月ばかり進めてしまっているところでした。
その増加額はこれまでの月々の返済額を1万円を超えていました。 びっくりすると共に、落胆しました。このまま金利上昇が続けば、返済しきれなくなってしまう。
私は、妻に説明して、一括返済を決めました。 私には、それに見合う積み立てがあったのです。
それは、、これまで自分の建築自営業の個人事業主だったため、退職金など望めません。だから、老後のためにと、若い頃から少しずつ毎月積み立てていました。その積立金を総て取り崩す事でした。そうしたなら私の老後は、無一文になってしまうことになります。しかし、このままでも行き詰ってしまいます。75歳が完済予定ですが、私の収入ではそこまでいきつくまでに、返済不能に陥ることは間違いがありません。
辛い決断でしたが、『残債の一括返済』が最良と私は判断するしかありませんでした。
実は、私は、自宅のローンは私が何かの理由で死んでしまったら、ローンは終了するタイプのローンだと思い込んでいました。よくローンの説明書を読んでいなかったのです。
私は私の友人の幾人かから 「俺が死ねばローンは終わり。嫁さんや子供は安心してそこに住み続けられる」 といった内容の話を何度か聞かされていました。おそらくそれから私も、同様の内容のローンだと思い込んでいたのです。
ところが私のローンは、私が、死んでローンが残っていた場合は私の妻や子が残債を支払うことになっていました。それが出来なければ、銀行が家を競売(けいばい)にかけ、残債を確保して残ったお金を妻や子に渡してくれるというものでした。 私は、自分の迂闊さに呆れるばかりでした。これでは自分の老後どころの話ではない!すぐに返済しようと決心しました。
そうでなければ、老後のために積み立てていたお金を、1部返済に当てて月々の支払を減らしていたと思います。
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