| 階高さとは、ある階の床からすぐ上にある階の床までの長さのことを言います。1階の床から言えば2階の床までの長さ(高さ)にあたります。住宅の階高さは、どうして決めているのでしょうか?
まず、1階の床から天井までのいわゆる「天井高さ」は住宅では240センチ(2m40p)です。すると天井から、2階の床までの間が幾ら必要なのかという事になります。大体、40cmあれば、納まります。従って、階高さは、標準で280pと考えてよいでしょう。階段の段数はこの階高で決まります。
階段の蹴上と踏面を出す前に、下表をご覧ください。今日においては住宅の各部材は階高を280cmから285cmとしています。なぜなら流通している柱が規格化しているからです。
木材市場で流通している柱のサイズ | | 1階〜3階の管柱 | 1階〜2階の通し柱 | 1階〜3階までの通し柱 | 長さ | 3.0mと4.0m | 6..0m | 9.0m | 柱の小径 (断面サイ ズ) | 105o×105o | 105o×105o | 120o×120o |
『管柱とは、木造建築で、土台から2階の胴差(どうさし)までの間にある柱のことです。2階においても2階の梁上から軒桁(のきげた)下までとなります』・『胴差とは2階の床梁のことです。また、軒桁とは2階の柱の上にある梁のことです。3階建ての場合は、2階と3階の床梁が胴差で3階の柱の上にあるのが軒桁となります』
例えば1階から2階までの管柱(くだばしら)は3mと4mがあります。一般的な分譲住宅などでは、コストの関係から当然3mの柱を使用します。この柱は加工される前のものですから、土台や胴差に取り付けるホゾを刻んだりすると実際に使える部分は減り、2.8m程度の階高になる訳です。3階建ての場合でも、同じことがいえます。 そこで階段の段数を階高2.8mで計算します。
階高さ÷基準法の蹴上げ寸法=段数が出ます。段数に端数がつけば切り上げます。すなわち一段多くするという意味です。そうでないと23.3pと基準法の23pを超えてしまいます。↓
280÷23=12.1段 → 13.段となります。13段ですと、蹴上は23pより小さい215.4cmとなります。これでいいのですが現在の住宅の殆どは、規格型階段を使っています。規格型階段とは、建材メーカーなどが、工場で作り上げ、現場に搬入して組み立てるだけにまで、加工された階段です。日本の新築の住宅の殆どは、この階段を使っています。バリエーションも豊富です。規格型階段は蹴上と踏面がほぼ同じサイズになるような製品となっています。
これによれば、蹴上と踏面は20cmと同じにしています。即ち45度の角度の階段です。(ただし、数p程度のの範囲内で微調整が可能です) そうすると、
蹴上20p×14段=280p(階高) 踏面20p×13段=260p(階段部分だけの長さ) (蹴上-1=踏面の数です)
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| 階段だけの長さですが、階段は登り切ったところが2階の踊り場(廊下でもいいです)となるような計画をしなければなりません。階段の長さだけで、結局2.7mは見ておかないといけないということです。一間半の長さですね。
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