| 辞書で「面取り(めんとり)」を引いてみますと、簡潔に次のように書かれています。『建材の角を削り取って面を作ること。』
| 面取りとは早く言えばこの通りです。取るとは「得る」ということで増やすという意味があります。面取りは、金属の加工や食べ物の料理などでも使われる言葉です。
また、当ホームページの主幹である建築においても同じ材意味を持っています。ここでは、建築においての面取りを紹介します。
「角を削り取って新たに面を作ること」とは四角い角のとんがり部分を削って丸くしたり平らにしたりすることです。
左の図をご覧くださればその意図が分かっていただけることと思います。 | 上の図の面取りはごく一般的なものですが、面の大きさや形状には他にも、様々なものがあります。四角四面の角をただ単に面を取るというだけでなく、遊び心もある。そういう面取りの例を紹介していきます。 |
面取りの意図の基本は尖っている角で人や物が引っかいたり、傷ついたりするのを和らげる、あるいは防ぐ目的を含んだものですが、同時に尖っている物それ自体の欠け易い角の部分を、予(あらかじ)め削り取ることで、構造体の傷を受け易いという懸念の解消の目的もあります。
更には、面を意匠上の一つの手段として見せるために取ることもあります。あるいは、建築物などは現場でのモルタルやコンクリート面でのの角は、手作りという部分が多く、尖った角(ピン角)で綺麗に仕上げるのは至難の業です。机の上や、工場での生産というのとは、訳が違うからです。
その難しさを和らげるために、面を取るという側面も大いにあります。ただ、面を取るものが、構造体となるような重要な部材では面取りによる断面欠損に注意しなければなりません。こうした箇所では、必要最小限に留める必要があります。
| 角(かど)が一つ増え、面も新たに一つできました。即ち、面取り(面がふえること)が出来たわけです。
図は面取りの一方法です。 |
街中を歩いたり、手作りの物を見たりする時、気をつけて見ていると殆どの場合において、物の角が尖(とが)っていることが殆どないことに気付くはずです。それらは、何らかの面取りがなされているといっていいでしょう。
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