| 5. 銀行より手続費用値上通告で、自身で手続きの決意 |
それから、一週間ほどして銀行から電話がありました。 抹消登記に必要な書類が後一つを残すだけにまで整ったので、こちらの司法書士に委任状を取りに伺わせても良いかとの内容でした。 そして、 「抹消登記の費用ですが3万円といっておりましたが、4万円となります。それでもよろしいでしょうか」 というのです。 「え、1万円もどうして増えたのですか」 「申し訳ありません。司法書士がそういっておりますので」 と、そう申し訳そうでもなく弁解しました。
が、私は、この時、銀行がこの金額になっても、私が抹消の手続きを断らないだろうと足元を見られた気がしました。 幸い私は、仕事をリタイアに近づいてきており、仕事もそう多くはありませんでした。それなら、後学のために一つ自分で抹消登記をやってみよう、そう決心をさせるに十分な銀行の対応でした。
私は、むっとして言いました。 「それなら、私が手続きをしますので、必要な書類を送って下さい」 「え、自分でされるんですか?」 「ええ、それ程難しい手続きでもありませんから」 「はあ、そうですか、、、では書類が整い次第送ります」 「よろしくお願いします」
実は、私はローン残債の手続きの終わった日に、インターネットで「不動産抹消登記の仕方」についていろいろと調べていたが、それ程難しいものではないと確信していました。ちゃんと雛形(ひながた)に書き込み、銀行から受け取った書類を添付し、収入印紙2000円を貼れば最短で1週間目に完了する見込みでした。それは色んなホームページで確認出来ました。
だから、抹消登記の必要金額が4万円と銀行が言って来たとき、自分で手続きをやってみようと思ったのでした。自分でやれば2000円と提出用紙代ですみます。
幸いにも?私は、仕事がしばらく途切れる期間にありました。時間だけはふんだんに余っていたのです。同時に、こういうややこしそうな手続きをする事自体がそれ程嫌ではなかったのです。
なぜなら、建築に携わってきた私は、設計を始める前には、建てるとちはもちろん、近隣の人々の土地や建物の権利関係を調べることは、日常茶飯事にありました。法務局という場所に出向くことも、一般の人よりは慣れていました。
さらに、言えば手続きを行う法務局では、昔の様にいかにも役所仕事よろしく、無愛想で事務的などではなく、実に懇切丁寧に登記に関して親切に指導してくれるブースがどの法務局にも設けられているとの情報も得ていました。
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