| 本来、土地の売り主またはその代理人から建物を建築することを条件に土地を販売することは、独占禁止法違反に該当するおそれがあるとされています。しかし、次の3条件が揃っていれば例外となります。言い換えれば、この記載がなければ違反になることになります。
3条件とは | 1. | その土地に建物を建築することを明示していること。 | | 2. | 土地売買契約締結後一定期間内(通常3カ月以内)に自己又は自己の指定する建設業者との間に建物建築請負契約が成立することを条件とする場合には、取引の対象が土地であることを明示していること。
通常3カ月とは平成15年3月に公正取引委員会の見解が変更され、3ヶ月という期間は撤廃され、任意の期間となりました。ただ、この見解が広く不動産業界に浸透されていないため、今でも「3ヶ月以内」とする販売形態が多い。 | 3. | その条件の内容及びその条件が成就しなかったときの措置を明示していること。 (支払済みの金銭は全額返金される) | | | | |
3条件は「1.建築条件付き土地@」で示した広告のように 『この土地は、土地売買契約後3ヶ月以内に当社と住宅建築請負契約を結んで頂くことを停止条件として販売します。
指定された期限までに建物建築請負契約が成立しなかった場合は、土地の売買契約がはじめからなかったものとされ、手付金、預かり金その他名目を問わず、支払い済みの金銭は無条件で全額返還されます。』などの記載のこと。
2003年 (平成15年) 4月10日付、社団法人首都圏不動産公正取引協議会による構成団体長宛通知、および7月23日付 『不動産の表示に関する公正競争規約施行規則』 の改正により、次のように取り扱われることとなりました。 きわめて妥当な内容です。
| 改正前 | 改正後 | 建物の工事請負契約期限 | 三ヶ月をメド | 期限を設けず、当事者 (土地売主と買主) の自由意志による。 | 工事の請負業者 | 売主やその代理人に限定 | 制限を設けず、当事者の取り決めによる。 |
ただし、売主側にも都合や思惑がありますから、いつまでも契約を引き伸ばし続けることは現実的ではありません。三ヶ月を少しは出てしまうが、双方でもう少し時間をかければ契約できそうな状態であるようなら、三か月間にこだわらなくてよいはずです。また工事請負業者についても、業者が妥協する可能性は相当低く、それを巡って争うことも現実的ではありません。なぜなら、業者は土地による利益は殆どなく、建物の工事から利益を出すのが一般的だからです。したがって、工事の請負者は売主側にとっては、とても譲れるものではないのです。条件付売土地を変更して、土地だけの販売を頼むことは可能でしょう。その場合、土地の値段が表示金額よりずっと高くなることは間違いないでしょう。
上の表の工事請負業者とは建物建築請負契約を締結する相手方のことです。その業者は、土地の売主会社や売主の出資する子会社、土地の販売代理人 (宅建業を併営する建設会社) に限られます。
ここで、政府の内閣府が主管とする「公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会(不動産公取協)」が建築条件付き売地の広告の表示例を示しておきます。
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