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 2. モルタルの作り方

モルタルは次のような材料の構成比で作ります。

 ■ モルタルを構成する材料の比率

 モルタルとはセメントと砂を1:3の割合で混ぜ、適量(比率は5−6程度)の水で練ったものをいいます。コンクリートほどの強度はありません。モルタルも、コンクリートもそうですが、圧縮力(外からかかる力)には強いのですが、引張力(物体を引きちぎろうとする力)に対しての抵抗力は殆どありません。


 従ってその弱点を補強する為に細い網目の鉄筋やラス(金網)など引張力に強い材料を中に入れます。

 モルタルは一般的にいってセメント量が多いほど接着力があります。ちなみにいえば、「セメント(cement)」は「接着剤」の意味です。



 ■ セメント一袋で出来るモルタルの量

 ではセメント一袋でどれだけのモルタルを作ることが出来るのでしょうか。セメント一袋を約25sとして、下記の図のようにして混ぜますと、約80リットル=0.08m3程度が作れます。バケツが8リットルとしますと10杯程度が目安でしょう。実際の嵩(かさ)は水と砂だけの分量だけしかできません。






 ■ モルタルの中の砂について

 セメントモルタルには、川砂を使った川砂モルタルでモルタルの基本形です。海砂は用いません。海砂は、コンクリート中の鉄筋を錆びさせしまうからです。使う場合は、真水でよく塩分を落としてつかいますが、使わないほうが無難であることは、いくら洗っても完全ではないことからも、いうまでもありません。現在では、中国などから川砂など塩分のないものの大量輸入に頼っています。




 ■ モルタルのバリエーション

 バリエーションとして、軽量モルタルと呼ばれるものがあります。モルタル塗りで最もよく使われるもので、セメント、軽量骨材、糊、粉末樹脂、繊維などを混ぜて作られます。軽く、耐震性、防火性に優れた特性があります。


 最近では砂とセメントがすでに調合されていて、後は水を加えるだけの既調合モルタルも発売されています。これは、ホームセンターでも見かけます。砂とセメントが適切に調合されているため、品質が安定しています。


 モルタルを練るのはほとんど機械で行います。
 コンクリートミキサー車の小型版のような機械で、軽トラックで持ち運びにも便利です。1m3のモルタルを、手ねりするのは大変な労力が必要です。どうしても大量に必要な場合には、こうした機械を利用するしかありません。

モルタルを練る機械の例です。動力は電気やて手動などがあります。(画像出典:モノタロウによりました)




 ■ 機械練り以前の大量モルタルの作り方

 私が若いころは、そうした機械練りはほとんどなく、現場で手で練っていました。ベニヤ板や厚い鉄板を並べ、砂を置き、セメントをふりかけます。そしてベニヤ板の両側から、

「えいさ」

「ほいさ」

と掛け声をかけながら、砂とセメントを混ぜます。一通りそれが終わると、それらを均(なら)して、中央を少し凹めます。そこに所定の水を入れ、また同じように掛け声をかけながら練りあげます。


 これで、モルタル練りは完成するのです。左官仕事のある日はこれ専用の人がいてほとんど一日中練っておりました。コンクリートの現場練りも同様でした。今ではほとんど見かけることはありません。


 モルタルを練って、仕事をするのは左官と呼ばれる人たちで、コンクリート工場とはほとんど関係がありません。建築現場で練って使います。練ったモルタルは定められた時間内で使わなければならず、いつまでも使わないまま放置できません。


 夏場で1時間、冬場では2時間を目安に使い切ります。練り足しや硬くなっても練り戻ししてはいけません。亀裂の原因になります。また、モルタル塗り施工時の気温も5度〜40度までとします。




 ■ 住宅の外壁にモルタル塗りをする理由

 モルタルが、住宅の外壁に使用される最大の原因は、建築基準法上、防火地域の指定がある地域には防火構造外壁の義務化があるためです。自宅が火事になって、燃えてしまっても隣家への類焼を防ぐことが求められているわけです。

 あくまで隣家への類焼を防ぐためとの考え方です。外壁にモルタルを塗っても、家の中が燃えなくなるというわけでは当然ながらありません。







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