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 3. モルタルとコンクリートの違い

 モルタルと殆ど同じ手順を踏んで作られるものに、コンクリートがあります。モルタルとコンクリートとは、どのような点で違いがあるのでしょうか。このページでは、コンクリートの作られ方を紹介します。


 ■ コンクリートとは

 コンクリートとは何でしょうか。コンクリートは、下図のように、セメントと砂と細骨材(砂利)を1:3:6の割合で混ぜ、適量の水で練ったものです。適量の水とは水セメント比として定められています。





画像出典:日本セメント協会




 ■ 水セメント比とは

 コンクリートの強度を表す指標のひとつで、主要な材料である水とセメントとの割合で、水量をW、セメント量をCとすると「W/C」の百分率で示されます。水が多いほど練り混ぜしやすく、型枠にも打ち込みやすい半面、コンクリートの強度は低下します。


 建築用コンクリートでは水セメント比は50〜65%。住宅金融公庫では、水セメント比の最大値を、普通コンクリートの場合が65%、軽量コンクリートの場合で60%と定めています。


 一般的にコンクリートの水セメント比は60%です。すなわち、重量比で水1に対してセメント約2を混ぜ合わせます。セメントの単位体積当たりの重量は約1.5g/Cm3なので、体積比では水約0.75に対してセメント1となります。より強度を求める場合には1:2:4とします。水の割合が少なくなる程、セメントの割合が多くなる程コンクリートの強度が上がります。





 砂も細骨材の一種ですが、ここでは解りやすくするために砂は砂、砂利は細骨材と表現しています。適量の水と表現していますが、使用箇所、要求する強度、コンクリートが必要な季節などにより一定ではありません。コンクリートは、モルタルより強度ははるかにありますが、単体で使用されることは稀です。たいていは、鉄筋、ワイヤーメッシュ、、炭素繊維などコンクリートの弱点である対引っ張り力をカバーできるものを埋め込んで使います。



 モルタルとコンクリートの違いはどこにあるのでしょう。表にまとめてみました。
大きく分けて3つあります。

モルタルとコンクリートの違い
@
モルタルの材料に細骨材(砂利)が加わっている。
A
使用箇所が違う
B
強度が違う

 下に順番に見ていきましょう。


 ■ コンクリートは、モルタルに細骨材(砂利)が加わっている

 コンクリートはセメントと砂のほかに、細骨材(砂利)が入っている事が違いです。もちろん、各材料の配合も違っています。細骨材(砂利)が加わることで、モルタルよりはるかに、コンクリートにかかる圧縮力(コンクリートにかかる押しつぶそうとする力)に対する抵抗力が強くなります。


 圧縮力に抵抗出来るのはこの細骨材にかかっているといって過言ではありません。細骨材(砂利)でも実際には大粒の物もあれば小粒なものもあり、一定ではありません。程よく、混在している方が大粒だけ、小粒だけの場合よりコンクリート強度全体が上がります。





画像出典:日本セメント協会




 ■ モルタルの使用箇所(場所)

モルタルは、主に強度が求められる箇所に使用されるコンクリートと違い、あまりそれを要求されない材料として使用されます。住宅のモルタル外壁や鉄筋コンクリートの躯体の仕上げやタイル貼り仕上げのタイル下地などです。




 ■ 強度の違い

それぞれ条件があり、下記の数字は一概に言えませんが一般的に言って、強度はコンクリートの方が数倍上といえます。


コンクリートの圧縮強度は一般的に     50N/mu 程度
コンクリートの引張り強度は圧縮強度の  1/12

モルタルの圧縮強度は             20N/mu 程度
モルタルの引っ張り強度は圧縮強度の   1/10



 コンクリートを打設した後に、型枠の下などに、灰色のトロっとした液体がしみ出ているのを見ることがあります。それは一般的に「ノロ」と呼ばれているものです。その「ノロ」について、少し触れておきます。

 ■ モルタルではない「ノロ」とは

 セメントに水だけを加えて練ったものをノロといいます。正式な名称は「セメントペースト」です。コンクリート表面をきれいに仕上げるための補修とか吹き付け塗装をするコンクリート面をこれで塗り(しごくといいます)ったり、タイルの目地塗りなどに使います。

 ノロはカス(滓)という意味で、コンクリート打ちなどで型枠から染み出てきたものをいうのですが、それがセメントペーストと同じ様子であることから、セメントペーストのことをこう呼ぶようです。

 上記のコンクリとの調合のいずれの場合でも、色々な用途や使用場所、季節などに応じて、モルタルやコンクリート、ノロなどに混和剤と呼ばれる添加剤を使用しています。これは、モルタルなどのの施工性や耐久性を高める目的のためです。







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