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W-Wallet JW−CAD
1. はじめに CADを知
るきっかけ
2. DRA-CADから
JW−CADへ
3. JW−CADバージョン
1.56
4. JW−CADバージョン
.56の凄さ
5. JW−CA(DOS版)
の隆盛
6. JW−CADの名の由来
7. JW−CADはフリーソ
フトのCAD
8. JW−CADの特徴
9. DOS版からWINDOW
版へ
10. JW−CADに是非欲
しい3D機能
11. JW−CADの将来
について
1. はじめに CADを知るきっかけ
私が建築の設計の仕事を本格的にを始めたのは、1978年(約44年前)からでし
た。当時は、CADなどはなく、製図板とT定規で作図をするのがごく一般的でした。
これがうまくかけるには年季(ねんき)とコツそれにセンスが必要でした。
そして、一本の線を描くにも、迷いがあったり、知識がないと、結局消しゴムで消し
たり引きなおしたりしなければなりません。それが上手く書けないことは、建築の理
解度や経験年数の証明でもありました。
鉛筆で引いた線の総延長が地球を一回りする位出ないと、旨く画けるようになら
ないとも言われました。私は元来、この製図が自己嫌悪に陥るほどに下手でした。
手の小指の側面が鉛筆の芯の汚れで真っ黒になり、必死になって書いても間違っ
てばかり。
消したり線を継ぎ足したりしているうちに、図面は全体が黒ずんで、いかにも悩ん
で書いたことが丸分かりです。建築の知識がないから、線が必要な位置で停止しな
いのです。足りなかったり、長すぎたりです。線の長さが足りないと継ぎ足して書くの
ですが、どうしても継ぎ足し位置がぴったりとつながりませんし、継ぎ足したことは一
目瞭然です。
「ははあ、この図面は建築のことが解っていない奴が書いたな」
ということが丸わかりになるのです。
それに引き換えて、私とは二つしか変らない先輩は、建築の高校を出てからずっ
と図面を書いてきており、しかも特段に旨かったのでした。彼の手はいつも綺麗で
線も強弱がはっきりしており、いつ見ても見事でした。線に迷いがなく、不必要な補
助線も殆どありません。
私は、この仕事を辞めたいと思うことが何度もありましたが、努力は惜しまないの
がせめてものとりえ(長所)でしたので、何とか努力でカバーするしかないと思いとど
まりました。
下の
図1〜図7
は私が、当時使っていたものと同じものです(そのものの図ではあ
りません)。
図1
図5
図2
図3
図4
図6
図1 T定規(ティーじょうぎ)
製図板の側面にTの字の上部分を沿わせて
上下にスライドさせます。横に線を引くときは、
白い色のラインに沿って引きます。縦の線を
引くときは
図6
の三角定規をT定規の白い線の
上に置いて使います。
図2 はけ
鉛筆の粉や消しゴムの粉を掃いて取ります。
図3 字消し板
字消しというよりも間違った線を消すことの方
が多く消しゴムだけではほかの線も消してしま
いかねませんので消したい部分だけにその大
きさに合わせて使います。
図4 製図台
図は製図板が乗っていない状態です。製図板
をこの上に乗せて使います。右手に、取っ手
がついており、製図板の角度を変えることが
出来ます。製図台の下に溝のようなものが見
えます。ここに鉛筆や消しゴムなどを置きま
す。また、消しゴムの粉などもここに落としま
す。いつも掃除が必要です。(右上へつづく)
図7
図5
平行定規付き製図板
T定規を使う必要がありません。T
定規を押さえながら、
図6
の三角
定規を使って垂直線を引くのは一
苦労でした。それが、これを使え
ばT定規を押さえている必要があ
りません。当時、画期的だと思い
ました。
図6
三角定規
三角定規は必須でJIS規格の物
が安心でした。が、これでは角度
のある線は引けません。そうする
と直ぐに角度定規なるものが出ま
した。
図7
がそれです。45°から
90°まで調節できます。
出典:図1から6までSMZ Tyokyo
-----------------------------
後にドラフターといって下の写真のような製図器が登場し、私の図面も少しはまし
になりましたが、それでも到底、見違えるようにはなりませんでした。下手な図面は
製図機器の問題ではなかったのですから。
先に書いた通り、図面を見ればこの人間はどれだけの経験を持ち合わせている
のか、玄人の目には一目瞭然でした。何とかならないものか?何か旨くなる方法は
はないものか。私は、悩み続けながら仕事をしていました。
ある時、私の勤めている建築設計事務所と交流のあった、やはり建築設計事務
所が、CADというものを導入したとの話を耳にしました。CADというものを知らない
まま、早速見せてもらいに行きました。
私は、そのときはじめて見たCADというものがまるで天啓のように思えました。図
面をパソコンで書き、間違って描いて修正しても図面が汚れる事もなく、1階の図面
を書けば2階にもコピーして転用できる。紙に何度でも書き出すことが出来るとのこ
とでした。
私が望んで止まなかった、私の総ての短所を解決してくれる魔法の箱に見えたの
です。『これこそが、私を救ってくれるものだ』『きっと今に主流になるに違いない』私
は、願望を含めてそう感じました。
しかし、私がこのCADなるものを導入するには、大きな難問が一つありました。そ
れは、パソコンというものがなくてはならないという事、CADというソフトを買わなくて
はならない事でした。また、それらを一式そろえると70万円から100万円くらいかか
るです。
私は、CADというパソコンでの製図を即座にあきらめてしまいました。当時の私の
給料は手取りで、15万円くらいしかなく、とても手の出る代物ではなかったからで
す。今なら、20万円も出せばすばらしいパソコンが手に入ります。しかし、当時はそ
れ程に高かったのです。
どうしても欲しい!と思うと同時に、「CADというものがこれからの建築業界に必
ず使われるようになる」という確信が私にはなぜがありました。その建築設計事務
所に足しげく通い、ソフトのことや、パソコンのことを詳しく教えを請い、実際に使っ
てみもしました。私もなんとしても買おう。そう決心をしたのは半年位後の事でした。
その時の貯金は100万円弱、CADに必要な物を一式そろえると、75万円になり
ましたが、決心して教えてくれた設計事務所に出入りの業者を通して買うことにしま
した。まだ、中古のマンションを買ったばかりの頃で、ローンも支払いもあり、その上
のこの出費です。もう、大変な決心でした。結婚もまだしていませんでした。
CADソフトの名前は「
DRA−CAD
」で35万円。JW-CADを知る前の二年くらい
前の事だったのです。パソコンはNECの9801RA21でした。当時のパソコンで初め
て、32ビットを採用した最新のものでした。今のようにWIDOWSではありません。D
OSの時代の話です。
以前、市販されていたドラフター。図板
のどこにも動かせて、なおかつその角
度で図面を書くことが出来る。左上は微
妙な角度に調整も出来るメモリが付い
ています。
左側の写真の各部サイズ説明図面です。
図面の上のほうを描くときは、製図板の
角度を垂直方向にたて気味にして描きま
す。手暗がりにならないよう蛍光灯も付い
ています。椅子は、高さが自在に調整で
きます。
写真の出典:ムトウ工業
現在は生産されていません。
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