| 空気中の水蒸気量と温度とは密接です。空気の温度が上がれば上がるほど、空気はたくさんん水蒸気を、空気の中に貯めておく事が出来ます。つまり、温度が高くなるほど空気中の水蒸気の量が多くなり、なお且つ、容易には飽和状態にならないということになります。つまり、水蒸気の量を部屋の温度の上昇と共に増やしていけるからですね。
例えば気温0℃では、4.9g/m3です。気温20℃では、17.3g/m3、30℃では30.4g/m3と言う風になります。そして、空気の温度が20℃付近では、少々の水蒸気の量の増加では飽和しないのに10℃以下になると、わずかな水蒸気の増加でも、すぐに飽和してしまうことが分っています。暖房をしている部屋より、していない部屋の方が結露が発生しやすいのはこのためです。
上記の説明を具体的にグラフにしたものが次の図です。温度の上昇とともになだらかな二次曲線を描いています。このグラフでは着されていませんが、100度まで描くことが可能ですが、実用的にはこのグラフで十分です。
飽和水蒸気曲線図
表の見方:例えば気温20度の黄緑色の縦線が青色の曲線と交わったところが、飽和水蒸気量となります。数字をみると水蒸気量が17.3(g/u)と少しと読み取ることが出来ます。ここがつまり、結露になる点です。
「相対湿度」とは飽和水蒸気量に対して、実際に存在している水蒸気(絶対湿度)の割合のことをいいます。相対湿度と絶対湿度とは同じ状況のことを違う表現で表しているに過ぎません。テレビの天気予報は相対湿度で表現しています。
@ 相対湿度は割合をパーセントで表現したものです。
A 絶対湿度は実際の量をグラムで表現したものです。
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もう少し分かり易く椅子とそこに腰掛けている女性を描いた下の図を参照に説明しましょう。左の部屋は寒い部屋、右側の部屋は温かい部屋の場合になります。
@ 相対湿度の説明
左の部屋に10人が座れる椅子が用意されています。その椅子に5人が座っています。座っている割合は50%です。
右の部屋に20人が座れる椅子が用意されています。その椅子に10人座っています。座っている割合は50%です。
座っている割合は左右の部屋で同じ50%です。このパーセントの表現方法を相対湿度と呼んでいます。冬の天気予報で湿度70パーセントなどと表現されると、そんなに湿度が高いのに何で静電気が起こるのかなどと思うことになります、これでその原因が判りますね。
A 絶対湿度の説明
相対湿度が左右の部屋で同じパーセントです。これだけでは、一体どちらが湿度が本当に高いのか?ということがわかりにくいですね。そこで、実際にどれだけの湿度があるのかを、数字で表したものが、絶対湿度です。部屋の大きさは変わらないとすると、そこに実際どれだけの人が椅子に腰掛けているのかを、数量で表すのです。
下の図の右側で、部屋の椅子の席数の20という数字は温度のによって減ったり、増えたりします。今20席中10席しか埋まっていません。あと10席まで今の室温であれば、席に座れることになります。温度が上がれば、もっと席数を増やすことができ、しかも座れる人も増やすことができます。
室内の温度が上がるに従って座席は増えて行きます。逆に温度が下がると座席は減っていきます。ただし、部屋の大きさそのものは変わりません。座席数だけが減ったり増えたりするのです。
| 寒い部屋 | 温かい部屋 |
温度が高い部屋(右側の部屋)に、たくさんの座席に人がたくさん座っていれば、この人達が、温度の低い部屋(左側の部屋)へ移動したら(つまり温度の低い寒い部屋に移動したら)、座れずにあぶれる人ができてしまいますね。そして立っていたり床に座ったりするしかありません。その座席からあぶれた人たちが結露ということになります。結露が多ければ水溜まりとなります。
蛇足ですが。よく冬期のNHKなどの天気予報で出てくることばに「実効湿度」というのがあります。これは、木材の乾燥の程度を表す指数で、数日前からの湿度を考慮に入れて計算します。実効湿度が50〜60%以下になると火災の危険性が高まる。それで、天気予報の最後には「火の元には十分注意してください」などといいます。
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