| サッシはサッシ枠と障子から成り立っています。これは、日本の建具の歴史には殆ど見られない形式です。古来から、日本では窓、戸には枠はありませんでした。 ただし、法隆寺に当時、唐から輸入した枠つきの出入り口戸が一部に使われいたようですが、それ以外には例がありません。
枠がないとはどういうことでしょうか。日本の建物は構造的に架構式で成り立っています。したがって、日本の窓や戸は柱と梁との間にある可動な壁という概念であったからといえます。
これに対して、西欧では、建物が丸太とか石などの積みあげ式(組石造)の建物であったため、採光や排煙のためには明確に開口をつけ、そこに窓や戸をはめ込むという考え方から発展してきました。積み上げ式の壁などにはどうしても枠がないと建具が収まりません。
こうした窓や戸の日本での考え方は、そのまま現在でも名残が残っており、建具は取替えを前提にしている欧米とは逆に建物と一連托生的なところがあります。
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