3.　サッシに求められる機能

　機能とは「そのもののもつ働き」のことです。ここでは、「サッシが持つ働き」であり、その働きとして、求められるものを下表に揚げました。サッシに求められる機能は複雑で、時には使用する場所によっては、相反する要求もあります。

　すなわち、場所に応じたものが、必要になるということです。外部と内部ではその要求されるものが当然違ってきます。例えば外部では、耐風や耐震、耐候が求められます。内部においては、一般的には、使い勝手や肌だわりの良さ、汚れの付きにくく、清掃のしやすいものが求められます。

　工場や研究所では防音性や、耐薬品性や使用による耐摩耗性など特殊な使用に耐えうるものが要求されます。内部のサッシについては、交換が可能であることも重要です。

サッシに求められる機能
1	光	光を通す。光を遮断する。日光で変質しない。建具の向こうに人がいることが知れる。
2	音	騒音を遮断する。風でがたつかない。外からの呼び声は聞こえる。
3	熱	熱を遮断する。熱に変質しない。寒さに変質しない。結露しない。
4	水	雨水を通さない。水を吸収しない。水をはじく。水が円滑に排水される。湿気を通さない。水による変質、変形、破壊しない。腐食しない。
5	空気、虫	換気ができる。隙間風が入らない。虫が入らない。埃が入らない。
6	外力	強い風に曲がらない。開閉時に変形がない。衝撃力にたえる。
7	使い勝手	女子供でも開閉ができる。開閉時に音がでない。長期の使用に耐えうる。開いた扉が通行を阻害しない。開きがってが、動作に逆らわない。
8	安全	鋭い突起がない。ガラスが割れにくい。障子が枠から簡単に外れない。手をはさむ危険が少ない。静電気がたまらない。
9	耐薬品	油脂類による変質がない。酸に強い。アルカリに強い。
10	清掃	簡単に清掃ができる。汚れにくい形状であること。汚れが落ちやすい材料であること。菌などに侵されない虫がつかない。
11	表面	肌触りがよい。耐摩耗性がある。
12	修理	互換性がある。修理ができる。