性能とは「そのものが持つ、性質とその能力」です。ここでは、「性質(材質)」に関しては次ページの「サッシは何で出来ている」で取り上げることとし、「その性能」についてどんなことが要求されるのかをあげてみました。
サッシに求められる性能 | 1 | 耐風圧 | 風に対してどれだけ耐えられるかの値です。階数が上がるほど、耐風圧性能も高いものが要求されます。JIS規格では1階ではs-1、2階ではs-2、3階ではs-3・・・s-7と言う風に数字が大きくなるほど、耐風圧性能も大きくなります。s-2なら120kg/uの風圧がサッシにかかっても、変形や破損が残ったり、起きたりしないという事です。
| 2 | 気密性 | サッシのすきまから漏れる空気の量を示す値です。サッシ1m2における1時間当たりの通気量を、JISでA-1、A-2、A-3、A-4と等級で表します。 数字の順に気密性が高くなります。これに伴い、結露、酸欠などの障害障害が生じないよう、換気が必要になってきます。一般のサッシはA-3です。
| 3 | 水密性 | 水密性とは、風を伴った雨のときに、屋内への雨水の浸入をどの程度防げるかを示す性能で、W-1、W-2、W-3、W-4、W-5の順に水密性が高くなります。雨水の量よりも風圧が関係深い。
| 4 | 遮音性 | 遮音性とは屋外から屋内に入ってくる音(自動車や電車・飛行機等の騒音)や屋内から屋外へ出ていく音(ピアノやテレビ・ステレオ等の音)をどの程度遮る事ができるかを表わす性能です JISでは、T-1・・・T-4と言う風に数字が大きくなるほど遮音性能が上がります。T−1で防音を考慮した住宅での性能です。 一般的に60ホーンを超えるとうるさいと感じます。
| 5 | 断熱性 | サッシを通して流れる熱の量を示し、内側と外側の温度差が20℃の状態でサッシから伝導する熱量から熱貫流抵抗(R)を算出し、JISで定義する等級で表します。 サッシの断熱性はサッシ自体・枠と障子のすきま・ガラス面などの3要素が関係あり、等級が高いほど断熱性が高いことになります。 H-1、H-2、H-3、H-4、H-5の順に断熱性が高くなります。 熱貫流率は小さいほど、熱貫流抵抗は大きいほど、断熱性に優れているということになります。
| 6 | 防火性 | 防火性とは建築物の火災に対する安全性のレベルを表わす性能です。建築基準法、建築基準法施行令、建設省告示等で規制されています。
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サッシの求められる防火性能は下記のように防火に関する地域によって規制も違ってきます。(下表1)それは防火に関する地域に要求される建物の外壁の防火仕様により、防火戸(防火サッシ)もそれにふさわしいものが要求されるというだけで、サッシだけが単体で防火性能を要求されることはあり得ません。
そのほか、防火に関する地域の規制以外にも、建物の内部での火災時人の安全を守るために、防火区画という区切りが法的に要求されます。マンションでしたら、各住戸部分とお隣(お隣とドアでつながっているなどというマンションはありませんが)、あるいは各住戸と廊下、住戸とベランダなどの壁も防火区画が要求されます。当然、その壁についている出入り口や窓などのサッシも防火仕様しなければなりません。
また、一住戸が要求される防火区画の面積を超えるような場合には、住戸の中であっても、防火区画面積以下になるように、区画を要求されます。
ただし、マンションの各住戸の内部の間仕切りにある窓やドアのサッシは防火性能を要求されていません。火事が出ても、その住戸は燃えるが、他へは延焼させないという考えからです。
いざとなった時に使う階段は、不特定多数の人が避難に使うものですから、階段自身も燃えないもので作らなければならない特に重要な部分です。ですから、窓にも採光に必要な最低限のものを、出入り口は防火戸を要求されます。(下表2)
このように、外壁や防火区画と絡んだに要求される性能については、複雑ですので単体としての防火戸(防火サッシ)については、ここでは非常に大まかな概要にとどめています。
サッシの法的に要求される防火性能 | 1 | 防火地域による規制 | 耐火建築物、準耐火建築物や防火地域又は準防火地域にある建築物の外壁で、延焼のおそれのある部分の開口部(サッシ等)については、炎を遮り延焼を防止するために、「防火設備」(防火戸)の使用が義務づけられています。
| 2 | 防火戸の種類 | 特定防火設備 | 火災の拡大を防止するものであり、防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、避難階段の出入口部分などに用いられています
| 防火設備 | 主として、開口部の延焼防止を目的として、防火区画の一部や外壁の開口部などに用いられています。
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