| ツーバイフォー工法の前身であるバルーン工法と今のツーバイフォー工法の主流であるプラットホーム工法との違いは何処にあるのでしょうか。それは、下の図を見比べれば判断が付くと思います。
それは、日本の木造の柱(10.5p角)を挽き割ったような柱(スタッド)の断面にあります。バルーン工法のスタッド(柱)は、土台から2階の横架材まで一本物でした。従って、スタッド(柱)の長さは、6メートル以上にもなり、それを取り出す大材の原木が必要となりました。
その上、運搬、工事作業の手間など、どれをとってもコストを要したのです。また、バルーン工法は、2階までの外壁を一挙に構築するため、2階の床はプラットホームのように1階の壁の上に乗せるのではなく、外壁パネルの室内側に床を受ける床受梁を設ける必要がありました。
この点改良したプラットホーム工法は、各層ごとに区切る工法に変更し、これらのコストを大きく改善する事に成功したのでした。つまり、1階の床の上に壁を立て、壁の上に2階の床を置き、又その上に壁を立てるいうように組み立てて行きます。(詳細は7ページの図を参照してください)
バルーン工法もツーバイフォー工法も、壁を寝かせて作ってそれを建て起こすやり方は同じです。違いは、バルーン工法では2層階分まで一挙に壁を作って建て起こすのですが、ツーバイフォでは各層ごとに行います。
この施工の手順は今日の鉄筋コンクリート造の各層の打継に似ています(手順が似ているだけで、構造そのものが同じではありません)。鉄筋コンクリートではまず1階の柱と壁そして2階の床を型枠で造りコンクリートを打ちます。そして2階では2階の柱と壁及び3階の床の型枠を作りコンクリートを打ちます。この様に合わせて考えるとツーバイフォーの構築が解り易いと思います。
| | バルーン工法(図1) ⇒ | プラットホーム工法(図2)(現在の主流) | 一挙に2階の壁まで建て起こします。 その後二階の壁を構築します。女性のファッションで時代の変遷が伺えます。
| 各階ごとに壁を建て起こします。1及び2階の床が、プラットホーム(周囲より高くなって、しかも平らになっている部分)に壁を構築します。
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画像出典:雑学 ツーバイフォー物語 7
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