| 回転球体法は2つ以上の受雷部、又は1つ以上の受雷部と大地に接するように半径Rの球体表面の包絡面から非保護建築物を保護範囲とする方法です。要するに、雷のリーダーの先端が大地に近づいた状態を想定し、雷撃距離Rの半径の球が建築物の受雷部、大地に接する面が保護範囲になるわけです。この雷撃部の配置によって、決定されます。下図を参照。
回転球体法で受雷部を考えるには、平面だけの検討では、確認が困難であり、対象の建築物の各立面図(断面図)による図示が必要となります。回転球体なので、立面図でも立体的に描写できず、これでも十分とは言えません。
3次元CADによる検討が最も望まししいのですが、現在では十分な普及がないため、、建築物の模型の制作などをして、球体を建物の周囲に沿って転がして確認することとしたいものです。こうする事で、球体と建物の接点を確実に求められ、そこに受雷部を設ける判断材料になります。
| JIS変更により旧JISでは保護範囲とされていた部分であっても、新JISでは非保護範囲に入る部分が出てくることがあります。旧JISで保護範囲にありながら、側撃雷を受けることがありましたが、新JISにより解消されるものと思われます。 |
保護レ ベル | 回転球体法
R(m) | 保護角方h(m) | メッシュ法幅 (m) | 20 | 30 | 45 | 60 | 60超過 | α(°) | α(°) | α(°) | α(°) | α(°) | T | 20 | 25 | * | * | * | * | 5 | U | 30 | 35 | 25 | * | * | * | 10 | V | 45 | 45 | 35 | 25 | * | * | 15 | W | 60 | 55 | 45 | 35 | 25 | * | 20 | *印部分は回転球体法及びメッシュ法だけを適用する。 | 備考 1.Rは回転球体法の球体半径 2.hは、地表面から受雷部の上端までの高さとします。
ただし、陸屋根の部分においては、hを陸屋根から受雷部h上端までの高さとすることが出来ます。
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ア | 保護レベルをT〜Wより選択しレベルの規定する数値の回転球体法、保護角法及びメッシュ法を検討します。 | イ | 受雷部システムは、表の示す保護レベルが規定する数値の回転球体法、保護角法及びメッシュ法の3種類の要素を単独又は、組み合わせて雷撃を受ける部分を検討し、その部分に「突針」、「水平導体」、「メッシュ導体」を配置します。 |
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