鏡が頭につく用語集 |
鏡を抜く(かがみを抜く) ↓ |
《「鏡」は酒樽のふた。形が古鏡に似ていることから》祝宴などで、酒樽のふたを槌(つち)などで割り開くこと。
|
|
鏡鐙(かがみあぶみ) ↓ |
鏡鞍(かがみぐら)に用いる鐙。表面を錫(すず)と銅の合金による鏡地(かがみじ)とするときには銀・金・銅で張り包んだものもある。
|
|
鏡池(かがみいけ) ↓ |
昔の貴人・英雄などが、水面に姿を映したとか、持っていた鏡を落としたとかの伝説がある池。
|
|
鏡石(かがみいし) ↓ |
@表面が滑らかでつやがあり、ものの影がよく映る石。鏡岩。
A手水鉢(ちょうずばち)の前に置く石。
|
|
鏡板(かがみいた) ↓ |
@壁・天井などに張る、平らで滑らかな一枚板。
A能舞台の後方正面の羽目板。ふつう、大きく1本の老松を描く。
B轡(くつわ)の部分の名。はみの両端に付いて馬の口脇をおさえる金具。
|
|
鏡岩(かがみいわ) ↓ |
表面が滑らかでつやがあり、ものの影がよく映る石。
|
|
鏡帯(かがみおび) ↓ |
裏布を表に、または表布を裏に折り返して、額縁のように仕立てた帯。
|
|
鏡貝(かがみがい) ↓ |
マルスダレガイ科の二枚貝。浅海の砂泥底にすむ。貝殻は円形で平たく、殻長7センチくらい。殻表は白色で、細かい成長脈がある。北海道南部から南に分布。食用。餅貝。白貝(しらがい)。文珠貝(もんじゅがい)。
|
|
鏡掛け(かがみかけ) ↓ |
@「鏡立て」に同じ。
A鏡の面にかぶせておく布。
|
|
鏡草(かがみぐさ) ↓ |
@昔、宮中で、正月元日に鏡餅(かがみもち)の上にのせた大根の輪切り。 また、大根の別名。
Aビャクレンの別名。
|
|
鏡轡(かがみぐつわ) ↓ |
鏡板(かがみいた)の部分を鏡のように円形にし、彫り透かしを入れないでつくった轡。
|
|
鏡鯉(かがみごい) ↓ |
ドイツゴイの一品種。うろこは退化しているが、大形のものが背びれとしりびれの付け根や側線に沿って残っている。
|
|
鏡銑(かがみせん) ↓ |
マンガン10〜35パーセント、炭素4〜5パーセントを含む銑鉄。破面が鏡状であるところからいわれる。転炉での製鋼で脱酸剤として用いる。鏡鉄(きょうてつ)。
|
|
鏡台(かがみだい) ↓ |
「鏡立て」に同じ。
|
|
鏡鯛(かがみだい) ↓ |
マトウダイ科の海水魚。全長約50センチ。体は卵形で側扁が著しく、うろこはない。背びれの棘条(きょくじょう)間の皮膜が糸状に伸びている。体色は青みを帯びた銀白色。南日本に産し、主に練り製品の原料とされる
|
|
鏡立て(かがみたて) ↓ |
鏡を立てかける木製の枠、または台。かがみかけ。かがみだい。きょうだい。
|
|
鏡作部(かがみつくりべ) ↓ |
律令制以前、朝廷や豪族に属して鏡を製作した部民(べみん)。律令制では雑工戸(ざっこうこ)がこれを担当した。
|
|
鏡天井(かがみてんじょう) ↓ |
格縁(ごうぶち)などをもたず、鏡のように平面に板を張って仕上げた天井。禅宗様建築に多くみられる。
|
|
鏡戸(かがみど) ↓ |
枠の中に一枚板をはめ込んだ戸。
|
|
鏡磨ぎ(かがみとぎ) ↓ |
金属性の鏡をみがいて曇りをとり、光沢を出すこと。また、それを職業とする者。
|
|
鏡なす(かがみなす) ↓ |
@古代の貴重品である鏡のように大切に思うの意から、「思ふ」にかかる。 「―我(あ)が思ふ妹(いも)もありといはばこそ」〈万・三二六三〉
A鏡を見るように見るの意から、「見る」およびそれと同音 の「み」を含む地名「み津」にかかる。
|
|
鏡抜き(かがみぬき) ↓ |
酒樽のふたを抜くこと。祝宴などで、酒樽のふたを槌(つち)などで割り開くこと。鏡開き。鏡割り。
|
|
鏡の回廊(かがみのかいろう) ↓ |
ベルサイユ宮殿の2階にある、庭園に面した大きな回廊。長さ73メートル、幅10.5メートル、高さ12.3メートル。庭園側に17枚のアーチ型の窓があり、対向する壁面に、合計375枚の鏡で装飾された、窓と同型のアーチが連なる。17世紀後期、ルイ14世の時代に完成し、通路や待ち合わせの場所として利用された。第一次世界大戦後のベルサイユ条約はここで調印された。鏡の間。
|
|
鏡の間(かがみのま) ↓ |
@能舞台で、橋懸かりの奥の揚げ幕のすぐ内にある板敷きの部屋。 姿見鏡を置き、役者は登場直前にここで面(おもて)をつけ、 気を統一する。
A江戸時代、歌舞伎舞台で大臣柱と大臣柱の間の本舞台になるところ。
B四方に鏡を張りめぐらしてある部屋。
C⇒鏡の回廊
|
|
鏡の松(かがみのまつ) ↓ |
能舞台で、鏡板(かがみいた)に描かれる老松の絵。奈良春日(かすが)神社の影向(ようごう)の松を写すという。
|
|
鏡葉(かがみは) ↓ |
カシワなどの、表面が広くてつやのある葉。
|
|
鏡箱/鏡匣/鏡筥(かがみばこ) ↓ |
平安時代以後、寝殿に置いた調度の一。円形または八つ花形で脚のついた台の上にのせ、鏡・汗手拭(あせたなごい)・領巾(ひれ)などを入れた。
|
|
鏡肌(かがみはだ) ↓ |
断層面に沿って岩盤がずれ動いたときの摩擦で生じた、鏡のような光沢のある面。
|
|
鏡張り(かがみばり) ↓ |
@壁・天井などに張る、平らで滑らかな一枚板を張ること。また、張ったもの。
A人の姿や物の形を映し見る道具を張ること。また、張ったもの。
|
|
鏡開き(かがみびらき) ↓ |
@ 《「開き」は「割り」の忌み詞》正月11日(もと20日)に鏡餅(かがみもち)を下ろし、雑煮や汁粉にして食べること。武家では、男子は具足に、女子は鏡台に供えた鏡餅を手や槌(つち)で割り砕いた。町家でもこの風習をまねて行うようになった。鏡割り。《季 新年》「伊勢海老の―や具足櫃(ぐそくびつ)/許六」
A「鏡抜き」に同じ。鏡割り。
|
|
鏡布団(かがみぶとん) ↓ |
裏布を表の方に折り返して、額縁のように縫い上げた布団。鏡の形に似ているところからいう。
|
|
鏡文字(かがみもじ) ↓ |
鏡にうつったように、左右が逆になった文字。
|
|
鏡餅(かがみもち) ↓ |
平たく円形に作った餅。大小2個をひと重ねにし、正月や祝いのとき、神仏に供える。おそなえ。おかがみ。[補説]三方の上に四方紅(しほうべに)(または奉書紙)を敷き、その上に餅を置いて、譲葉(ゆずりは)、昆布(こぶ)、裏白(うらじろ)、海老、御幣(ごへい)、橙(だいだい)などを飾る。
・四方紅:天地四方を拝して災いを払い、一年の繁栄を祈願する。
・譲葉:新葉が出てから古い葉が落ちるので、 新旧相ゆずる(家系がつながる)という縁起を祝う。
・昆布:よろこぶ(喜ぶ)との語呂合わせという。
・裏白:長寿を祈願する、久しく栄える、裏表がないなど の意味があるとされる。
・海老:腰が曲がるまで長寿であることを願う。
・御幣:四方に大きく手を広げ、繁盛することを願うとされる。
・橙:実が木についたまま年を越すところから「代々」に掛けて縁起を祝う。
|
|
鏡物(かがみもの) ↓ |
書名に「鏡」のつく、和文の歴史物語の総称。「大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」など。鏡類。
|
|
鏡割り(かがみわり) ↓ |
「鏡開き」に同じ。
|
|